戦没者をしのび恒久平和も誓った天城町戦没者追悼式=31日、同町岡前「平和の森公園」
語り継ぐ使命感新たに
戦争の悲惨さ平和の尊さ後世へ
【徳之島】天城町戦没者追悼式が31日、同町岡前の平和の森公園の忠魂碑前であった。日清・日露戦争以降、第2次世界大戦にいたる戦争に駆り出されて犠牲となった町内出身の戦没将士425柱に鎮魂の祈りを捧げた。戦争の悲惨さ、平和の尊さを語り継ぐ使命感も新たにした。
町戦没者遺族会(盛田修市会長)の関係者や町当局、町議会議員、各種団体代表ら関係者約80人が参列。黙とうして冥福を祈った後、大久幸助町長は式辞で「私たちには歴史に謙虚に向き合い、学ぶべき教訓を深く胸に刻みつつ戦争の教訓を風化させることなく、平和の大切さを次の世代に継承する責任がある。恒久平和の確立と心豊かに暮らせる社会の実現に全力を尽くします」と述べた。
前田芳作町議会議長と町戦没者遺族会の盛田会長が追悼のことば。盛田会長(76)=遺児=は「平成最後の追悼式。終戦から73年。町に在住・生存する遺族は4人で、健康がすぐれず1人も参加されていない。遺児も70歳を過ぎ、孫・ひ孫で遺族会の存続を図るとき。今、私たちが享受する穏やかな日々の暮らしは、戦没者のみなさまの尊い犠牲を礎(いしずえ)に築かれていることを決して忘れてはならない」とも強調した。
参列者全員で白菊を献花して鎮魂の祈りを捧げ、恒久平和への誓いも新たにした。