早朝訓練で防災意識向上

早朝からの訓練で消防、住民関係団体の連携を確認した

一般火災防御訓練 飛び火・逃げ遅れも想定
名瀬永田町

 9日から15日まで実施される「秋の全国火災予防運動週間」の一環として、大島地区消防組合 (川畑洋一消防長)は4日早朝、奄美市名瀬永田町の永田町おがみ山自治会(内一人会長)で一般火災防御訓練を実施した。訓練には消防職員・団員と地域住民のほか、県LPガス協会奄美支部員らが参加。訓練を通して連携を確認し、防火への意識を高めた。

 同自治会のある同市名瀬永田町15番街区と、隣接する同22番街区は消防活動困難地域に指定されている。消防水利はあるものの、山裾に木造住宅が密集。大型の消防車両が侵入できないため、小型車両に乗り換えるなど、消火活動に際して地域独自の対応を迫られる。

 この日は1カ所目の出火場所での消火活動時に、同街区入り口付近の看板に飛び火し、延焼が拡大するという状況も想定。十分な水を確保するため、数百㍍先の消火栓からホースをつなぐ箇所もあった。また、消防団員らによる逃げ遅れた人の避難誘導も実施。LPガス協会大島支部奄美支部員らはガスボンベ搬出などを行い二次災害の防止に努めた。

 訓練終了後、川畑消防長は「今後も訓練を通して、有事の際に対応できるようにお願いしたい。訓練で連携が上手くいかなかった部分は検証し、今後に生かしてほしい」と講評。内会長は「火事は時間と場所を選ばない。緊急車両も通れない不便な場所で訓練が行われたことは地域住民にとって心強い。身体が不自由な人も多いが、消防団などの誘導で安全に避難できて良かった」と語った。