宇検村・ブラジル関係者歓迎

ブラジル関係者を紹介する文岡さん


会食歓談してブラジル在住の関係者と交流した

2世、3世ルーツへ里帰り
移民史を村歴史として継承

 宇検村は5日夜、同村湯湾の元気が出る館で「宇検村ブラジル移民100周年 ブラジル在住宇検村関係者歓迎会」を開いた。来日中のブラジル県人会から同村の関係者16人が訪れ、行政や各団体、住民などが参加して会食歓談して交流を図った。ブラジル在住の関係者から、100周年の新たな交流を喜ぶ声が聞かれた。

 

 今年が同村からブラジルへの移民100周年になり、7月に元田信有村長を団長とした訪問団5人が現地を訪れて奄美出身の移民やその子孫たちと交流。今月初めの鹿児島県人会世界大会にブラジル県人会が出席するということで、同村の関係者が大会後に足を延ばして同村を訪問することになったという。

 オープニングで、奄美大島開運酒造㈱の「開運太鼓」と芦検民謡保存会による「稲摺り踊り」、石原久子さんのシマ唄を披露。勇壮な太鼓と伝統の踊りや唄を、関係者はスマートフォンなどで撮影して懐かしそうに耳を傾けていた。

 元田村長が登壇し、通訳を交えてあいさつ。「関係者のみなさん、お帰りなさい。こちらは7月に現地訪問して、滞在中は大変お世話になった。100年の交流には多くの思いが込められている」「ブラジル移民史は村の歴史。今回2世、3世の人がルーツを訪れたことに大きな意味がある。これを機会に次世代に交流をつなげていければ」などと語った。

 続いて同村議会の喜島孝行議長があいさつ。「関係者のみなさんは来日以来、ハードな日程だった。滞在中は村内でゆっくりとしてください。交流を深めて、ブラジルに持ち帰られてください」と話した。

 関係者からは、ブラジル鹿児島県人会副会長の文岡セルジオ正樹さん(50)が登壇。「自分は移民2世で旅行業を営んでいる。元田村長が7月のブラジル訪問時に、2世や3世に両親や祖父母のことなどをたずねていた。現地の移民とその子孫に、こういう交流をしたいのだと思わせてくれた。今回こういった交流ができ本当に良かった」と語った。

 その後、松井富彦副村長の発声で乾杯し歓談。村の100周年記念ビデオ上映や、舞踊など余興が披露され盛況となった。