宇検村阿室小中・学習発表会

宇検村阿室小中・学習発表会

児童生徒らが絵本『ケンムンとぼくの夏』を劇にして熱演した

作家の永田さん(後列中)と記念撮影

作者も絶賛 「うれしかった」
『ケンムンとぼくの夏』演劇

 宇検村の阿室小中学校(大庭新吾校長)は11日、同校体育館で2018年度学習発表会を開いた。児童生徒によるミュージカルや合奏、英語暗唱などが発表された。同村を舞台とした絵本を劇に仕立て児童生徒らが上演。演劇は保護者や住民の喝さいを浴び、作者も講評で絶賛した。

 今回は、「輝 ~わきゃで繋ぐ絆の輪~」をスローガンに13プログラムを実施。総合学習の成果では、画家の田中一村や西郷隆盛の長子の菊次郎を調べた成果が披露された。

 休憩中の展示見学時間には、児童生徒らによる絵画などの作品を鑑賞。劇はイラストレーター・絵本作家の永田萠さんが、同村で取材して作成した『ケンムンとぼくの夏』を一部アレンジしたもの。

 今年の夏に同校に永田さんが取材で訪れた際に、学校側は作者からストーリー構成を聞いて、作品を劇にすることをお願いし快諾され、運動会終了後から放課後などに練習。同校のシンボルツリーであるガジュマルの木が、9月に刊行された同書に登場しているという。

 ストーリーは原作に沿い、少年が東京から初めて奄美大島に行くことを期待する場面から展開。少年が先生と一緒に自動車で宇検村の各地を訪れ、様々な人たちとふれあう様子などが方言交えて演じられた。

 児童生徒らの熱演で日常シーンなどが繰り広げられると、身を乗り出すかのように舞台に引き込まれる観客も。劇が終わり出演者紹介で、児童生徒らは一人一人演じきった達成感を見せながら観客側に礼をした。

 講評で作者の永田さんが、舞台上の児童生徒らに「(劇中に)泣きそうだった」と第一声。自分の作品を演じてもらいうれしかったとし、「宇検村のことを好きになってもらい良かった。素晴らしい自然の中ですくすく育ってもらいたい」と語った。

 オーディションを突破して主人公役を演じた小学3年の松元海樹=みづき=くん(8)は「本番が上手くできて良かった。阿室集落以外の人たちにも見てもらいたい」と話した。