上野賢一郎財務副大臣に要望書を手渡す三反園訓知事、右から金子万寿夫衆院議員、伊集院幼市町村長会会長、朝山毅奄美群島広域事務組合管理者
【東京】奄美群島市町村長会(会長・伊集院幼大和村長)は12日、国の2019年度予算編成を前に奄美群島振興開発特別措置法の延長と奄美群島振興開発の推進に関する要望活動を中央関係省庁に行った。金子万寿夫衆院議員、三反園訓県知事らと共に財務省と総務省を訪ね各副大臣に要望書を手渡した。
朝山毅奄美群島広域事務組合管理者(奄美市長)は「副大臣に直接会って、法の延長と概算の満額確保、交付金の特効措置を特にお願いした。副大臣から、『皆さんの要望、趣旨は十分わきまえている。しっかり頑張ります』との言葉をもらい、我々も後のフォローをしていきながら頑張りたい」。伊集院会長は「奄美の置かれた状況を事前に把握していただき、法の延長と予算の確保に向けて頑張っていくという言葉を受け取った。主管省庁である国土交通省が地元と連携を取りながらやっていければ、おのずと結果はついてくるものだと期待している」と話した。
要望書では、遠隔の外海に八つの島々で構成されている地理的条件、台風や集中豪雨などによる災害が多発する厳しい自然条件と本土との所得水準や物価などの経済面の格差を列挙。その一方で、▽国境離島として、領海等の保全に関する活動の拠点とし国家的重要な役割などを担っている▽固有の動植物の生息と生育している地域であり、独特の産業、文化、歴史を有しており、これらを保全、継承、活用することで国民に癒しの空間を提供するという国民的役割も担っている―ことなど、プラス面もアピールした。
今後は奄美群島が置かれている厳しい条件を克服しながら持続的発展を目指すために、公共事業による社会資本の整備、防災面の整備、外国からの入込客を意識した整備などの必要性も強調し、奄美群島振興開発特別措置法の延長と奄美群島振興開発事業予算の確保と充実を求めた。
13日は国土交通省への要望活動のほか、県開発促進協議会による中央提案活動がある。