シンポジウムでは各町村が取り組む地域活性化事例などが発表された
オープニングでは「大和浜棒踊り」が披露されるなど、参加者は伝統芸能なども満喫した
第17回「大島地区生涯学習推進大会」の大和村大会が17日、同村体育館で開かれた。大会テーマは「地域のよさ(人・自然・文化)を再発見・再確認~つなぐ・つどう・まもる・つたえる・おこす~」。参加者らは、地元の活動事例などを発表するシンポジウムや記念講演を通して、地域づくり・活性化に生かせるヒントやアイデアを学んだ。
大会は、奄美群島社会教育振興会、大島地区文化協会連絡協議会、大島教育事務所、開催地である大和村、同教育委員会が主催。奄美群島12市町村が持ち回り隔年で実施。同村は1995年度以来の開催となった。
この日は、主催者や各自治体、関連団体関係者など500人以上が参加。会は、同村大和浜集落で116年の伝統を誇る勇壮果敢な踊り「大和浜棒踊り」で幕を開けた。
開会式で、大久幸助奄美群島社会教育振興会会長(天城町長)は「大会での学びを活力に、故郷づくりにつながることを期待する」とあいさつ。伊集院幼大和村長は「奄美は地域に残る伝統文化が多い。自分の地域で何ができるか考える機会にしてほしい」と話した。
シンポジウムでは、地域で取り組む活性化策や事例を5町村から報告。各地域の代表者らが登壇し活動内容などを紹介した。
和泊町子ども会育成連絡協議会・松下敦代副会長は、青少年育成の立場から英雄譚「えらぶ世の主伝説」を接点に沖縄との交流をつなげた活動を紹介。瀬戸内町阿木名まちづくり委員会・碩悟事務局長は、地域で一体となって取り組む活性化策を発表した。
伊仙町地域包括支援センター・福ゆかりさんは、介護予防での健康づくりを通した地域の取り組みを話し、井之川夏目踊り保存会・町田進さんは、伝統芸能の継承のなかで広がった地域の絆を紹介。最後、宇検村阿室校区活性化対策委員会・後藤恭子さんは、過疎化対策から始まった地域再生の過程を説明。会場からは大きな拍手が送られた。
この後は、東京工業大学名誉教授・本川達雄氏が「生物の時間・長寿の時間・島の時間」と題し記念講演。教育や文化活動の貢献者への表彰も行われた。
またこの日は、第20回「大島地区広域文化祭」も同日開催。参加者は、大棚八月踊りを始めとする伝統芸能や民謡、ダンスなどの舞台発表を堪能した。
被表彰者は次の通り(敬称略)。
▽大島地区社会教育功労者=春岡仗子(奄美市)、勝健一郎(大和村)、勇元隆志(徳之島町)、宮内一二(天城町)、東伸昭(和泊町)、菊秀史(与論町)▽大島地区文化協会=大和浜棒踊り保存会(大和村)、徳之島闘牛太鼓(徳之島町)、大崎忠通(大和村)