「アメリカハマグルマ」駆除に汗

外来植物アメリカハマグルマの駆除作業に汗を流した参加たち=17日午前、徳之島町大原

予算化と住民啓発を
徳之島自然保護対策協など

 【徳之島】徳之島地区自然保護協議会(政武文会長)と徳之島エコツアーガイド連絡協議会(美延睦美会長)が呼び掛けた外来種植物の駆除作業が17日午前、徳之島町大原の繁茂ポイントであった。関係機関・団体や一般家族連れなど約30人が啓発活動も兼ねて参加し、抜き取り作業に汗を流した。

 対象種は、外来生物法で要注意外来生物に指定され世界の侵略的外来種ワースト100にも含まれるアメリカハマグルマ(キク科)。場所は、奄美群島国立公園指定地や世界自然遺産登録へのコア地域を含む同島の最高峰「井之川岳」(645㍍)や「剥岳(はげだけ)林道」にも近いアクセス路沿い。

 同地区自然保護協は年間活動に外来植物の駆除対策も組み込んでいるが、今回はエコツアーガイド連絡協と共催。両会員をはじめ環境省徳之島自然保護官事務所、林野庁森林事務所、3町行政、家族連れなどが呼応。約2時間をかけて幅約10㍍、延長約50㍍の間を人海戦術で抜き取った。長く伸びて切れやすいつる性の茎に悪戦苦闘しつつ、一般雑草と合わせた回収量は軽トラック約15台相当に上った。

 同地区自然保護協の政会長(66)は「ネコ対策は環境省など予算化で一定の効果が表れクロウサギも増加。IUCN(国際自然保護連合)は外来植物対策も指摘しており、駆除予算化した恒常的な取り組みと住民への意識啓発が必要」。環境省徳之島事務所の沢登良馬自然保護官(28)も「対策費の予算化は一番いいが、個人個人の手で地道に抜き取って駆除をすることも啓発につながる」と話していた。

 同種は、固有種などへの被覆・競合・交雑などが懸念され、駆除には抜き取りが必要。刈り取ると断片から発根しクローンが広がる危険性が指摘されている。