おがみ山バイパス説明会

奄美市名瀬永田町と同真名津町を結ぶおがみやまバイパス事業についての説明会があり、市民らとの意見交換が行われた

19年度事業再開を計画
渋滞緩和を疑問視する声も

 2019年度からの事業再開に向け、おがみ山バイパスに関する説明会が21日、奄美市名瀬のAⅰAⅰひろばであり、同バイパスルート、今後の計画などが説明された。近隣に住む参加者などから、本来の目的とされる渋滞緩和への効果を疑問視するなど事業への反対意見のほか、再度説明会の開催を要望する声なども上がった。県の方針では、来年度に入り修正設計、事業用地買収など「再開に必要な手続きを進める(事業再開を計画している)見込み」としている。

 説明会には住民など76人が参加。冒頭、市から現在進められている「名瀬港(本港地区)埋め立て事業」、「末広・港土地区画整理事業」などの概要、進捗などが示され、「おがみ山バイパス事業のまちづくりとが相互に連携し、一体性を生かすことが総合的なまちづくりと考えている。引き続き県と連携協力しながら、事業促進に努めていく」などと説明があった。

 続いて、県がおがみ山バイパスについて説明。1998年の都市計画決定、2002年事業着手、09年ルート変更都市計画決定・事業先送りの方針決定から、17年市議会・市からの意見書や整備促進に関する要望書の提出などを経て▽今年9月に21年度からの事業再開への意向が示されるまでの経緯について▽ほかルートなどバイパス事業の概要▽今後のスケジュール―も説明された。

 その後意見交換が行われた。同日は、終始前方に設置したスライドを使用した説明だったが、「こういった説明会に資料が手元にないのはどういうことか」と事業に対し、必ずしも反対でないとする参加者から資料提出を求める意見があった。

 トンネル建設計画区間近隣住民から、自宅損壊などを心配する声。また、「一番渋滞しているのは、港町から長浜方面にかけて。住民1人1人に意見を聞いてもらいたい。反対者が多い」など事業反対を訴える声、「市内に入る数が1本から2本に変わっただけ。作っても一緒ではないか。車の台数は変わらないのでは」など効果を疑問視する声もあった。

 同市名瀬永田町と名瀬真名津町を結ぶ同バイパスは全長が1・8㌔(トンネル=1・2㌔)で事業費は約140億円。事業再開が計画された要因となっている、土地取得については全面積の約8割(1・2㌶)を取得済み。残り2割についても「約9割の地権者など関係者が理解を示している」と説明した。

 県は今回の説明会について「県として来年度から事業を進めていくという方針を示した」。一部参加者から要望された住民説明会について、今後開く予定はないという。「理解していただけるよう説明を繰り返していく」としている。