基本のドリブル練習で汗を流す女子選手=郡山市体育館
【鹿児島】九州地区の知的障がい者(ID)バスケットボールの普及、強化を目指した合宿が24、25日の両日、鹿児島市であった。福岡、大分、長崎、鹿児島から男子12人、女子8人の選手、12人のスタッフが参加し、競技レベルの向上を目指して汗を流した。
IDバスケットは東京、横浜、愛知などで歴史があり、特別支援学校に部活動があるなど競技レベルも高い。「九州からも日本代表選手を出そう」と鹿児島バルダーズ監督で日本代表コーチの経験もある山元晃一氏の呼びかけで、昨年からスタートした。2回目となる今回は、24日にハートピアかごしま体育館、25日に郡山市体育館で開催。初日はハーフコートを使ったピック&ロール、スクリーンプレーなど複数人数で取り組む連係プレーなどにもチャレンジした。25日の午後は練習ゲームを数多くこなした。
IDバスケットでは他人とのコミュニケーションを苦手にしている選手も多いが「日本代表で当たり前にやっている練習」(山元コーチ)を取り入れることで、選手の意識向上を目指した。女子は競技人口も少なく、普及に重点を置いた基礎的なメニューが中心だったが「ふわっとしたボールのパスは上では通用しない」と前田小百合コーチ。地面と平行に強いパスを出し、しっかり受け取ることや名前を呼んでコミュニケーションをとることなどを徹底した。
奄美からも女子2選手が参加。バルダーズの藤みつきは「他の県の選手と一緒に練習できて刺激になった」と感想。バルダーズ女子が立ち上がった2年前の2月から本格的にバスケットに取り組み、シュートやドリブルなどが少しずつうまくなっているのを感じている。2年後には鹿児島で全国障害者スポーツ大会があり「この仲間と優勝を目指す」と夢を語っていた。
(政純一郎)