里アンナ「トーク&コンサート」

里アンナ「トーク&コンサート」の出演者たち=いずれも提供写真

シマ唄宝物、歌い続けたい
「西郷どん」音楽担当富貴さんも出演

 【東京】音楽ホールに津軽三味線、島唄、三線が響き渡った――奄美出身の歌手・里アンナさんがこのほど、品川区の五反田文化センター音楽ホールで「トーク&コンサート」を行った。会場には多くの観客が訪れ、アンナさんの歌などに魅了された。アンナさんは、津軽三味線奏者・澤田響紀さんとのコラボレーションと、NHK大河ドラマで音楽を担当した作曲家・編曲家・ピアニストの富貴晴美さんとのセッション&トークも披露した。

 木調の壁に覆われた音楽ホールのステージに大きな拍手と共に登場した里アンナさんは、大島紬のドレスで颯爽=さっそう=と登場。まずは澤田さんの三味線で「津軽甚句~うけくま慢女」を熱唱。続いて三線を手に「黒だんど」「豊年節」を力強くも伸びやかに歌い上げた。

 「同じ民謡ですし、共通する部分はあるのかなと感じています」と奄美と津軽、「南と北のコラボ」について語り、「大島紬のドレスは十数年前からいろんな所で着ており、皆さんに知ってもらえることがうれしい」と笑顔を見せた。

 続いてOTTAVAナビゲーター・斎藤茂さんの司会で富貴晴美さんとのトークコーナーへ。「西郷どんの悲しみとかを包み込む歌声は、アンナさんしかいないと思いました。会えて(実現できて)うれしかった」と、富貴さんは、二人の出会いのエピソードなどを明かした。

 奄美のあいさつも交えて観客席に語り掛ける富貴さんに、「富貴ど~ん」と掛け声も送られていた。そして富貴さんのピアノで「西郷どん」のメインテーマに、アンナさんが情熱を込め歌い上げると盛んな拍手を浴びていた。

 「西郷どんでは、俳優の仕事も初めてだったが、言葉もそのままで、シマ唄も歌わせてもらえる安心感がありました。シマ唄は自分の宝物だから、ずっと歌っていきたい」と、笑顔で締めくくった。大河ドラマメインテーマ、そして出演も果たして大きく飛躍したアンナさんは、24日に南青山ZIMAGINEで「里アンナ×佐々木俊之1stアルバム『Message』発売記念ライブ」を行う。

 また、来年3月22日には、フラメンコ界における最高のダンサー、エバ・ジェルバブエナと東京国際フォーラム、ホールCで競演する大きなイベントも控えている。