住家6棟含む7棟が全焼

7棟が全焼した龍郷町中勝の火災現場=7日午前3時50分ごろ(提供写真)

龍郷町中勝
火災、けが人なし

 7日未明、龍郷町中勝の住宅密集地、農業・奥村好南さん(74)方から出火があり、住家6棟を含む7棟が全焼、住家2棟が部分焼(消失面積・消失表面積併せて約500平方㍍)した。11人8世帯がり災。けが人はなかった。

 奄美署などによると同日午前3時57分、近隣住民から「家が燃えている」と119番通報があり、大島地区消防組合消防本部や龍郷分署、龍郷消防団などからポンプ車など消防車両計7台が出動。56人が消火にあたり、火は同6時56分ごろに消し止められた。

 全焼は、住家6棟、非住家1棟(倉庫)の計7棟。部分焼は、住家2棟。奄美署と龍郷分署が合同で現場検証に当たり、出火原因などについては捜査を進めている。

 自宅2階で寝ていたという畠仁士さん(59)は午前4時前、変な音に気づいて目が覚め、外を見ると奥の家が燃えていた。外に出たところ、火の手は瞬く間に自宅にも燃え移り、全焼した。「あっという間の出来事で何もできなかった。目が覚めて逃げ出せただけでもよかったと思いたい」と話した。

 現場の道路を挟んだ3軒隣に一人住まいの堀悦子さん(75)は、知人の電話で目覚め外に出た。火は既に複数の住家を覆いつくし、風にあおられ火の粉が一帯に舞い上がっていた。

 「体がすくんで動けなかった」と話す堀さんは、家が燃えることも覚悟し、防犯バッグを抱えて避難。以前体験した火事が脳裏をよぎったという堀さんは「とにかく怖くて(身体の)震えが止まらなかったが、みんな無事でよかった」と話した。

 中勝集落・中田智=とめ=弘区長は「火の手が早く大変な火事だったが、けが人がなかったのは不幸中の幸い」。住まいの確保や現場ボランティアへの声も徐々に寄せられているといい「大変ありがたいこと。(情報を)確認しながら被災者と話し合いたい」と述べた。

 7日午後7時現在判明しているり災住家は次の通り(敬称略)。

 【全焼】奥村好南住家1棟、畠仁士住家1棟、里良子住家1棟、南スエ子住家1棟、大島克彦住家・倉庫各1棟、前多勝夫住家1棟
 【部分焼】對知律次住家1棟、泉和一郎住家1棟