地域建築の現状や課題語る

大会では、九州・沖縄各地から集まった建築家ら議論を交わした

奄美からは、㈱酒井建築事務所・酒井一徳さんがプレゼンテーションした

奄美で大会
日本建築家協九州支部

 日本建築家協会九州支部(川津悠嗣支部長、会員281人)の「九州支部大会2018in奄美」が8日、奄美市笠利町の須野公民館で開かれた。九州・沖縄各地から集まった建築家ら58人は、シンポジウムやレセプションを通して、地域建築の現状や課題を縦横無尽に語り合った。

 同大会は、地区持ち回りの隔年で開催。開催地での、町づくりやアイデアを建築家たちで導いていこうと行っている。

 奄美は初の開催で、テーマは「九州の建築・奄美の建築」。シンポジウムやエクスカーション(体験型見学会)を通して、奄美の建築やその仕事などにも理解を深めた。

 この日は、朝山毅奄美市長らが来島歓迎の言葉を述べ、シンポジウムから開幕。九州支部の各地域部会や奄美、沖縄支部から9人のパネラーが登壇し、地域の現代建築などを主題に、議論を繰り広げた。

 長崎地域会は、「坂の町長崎」にヒントを得た保育園を紹介。熊本地域会は、コミュニティーとしての距離感に焦点を当て、災害公営住宅四つの考え方を示した。

 大分地域会は、湯布院の温泉で着色した木材をもとに、地域でしかできない素材を提示。鹿児島や福岡、宮崎など、各地域会の発表が続いた。

 奄美からは、㈱酒井建築事務所・酒井一徳さんがプレゼンテーション。2018年度グッドデザイン賞を受賞した「大屋根の家」などをスライドで見せ、奄美の風習や行事に合わせた、機能性や構造、そのニーズなどを解説した。

 また酒井さんは、若者育成を見据え取り組む活動「オープンハウスカゴシマ」なども紹介。「奄美でも建築業界が盛り上がるような風潮をつくっていきたい」と今後の抱負を述べた。

 この後、一同はレセプションなどで奄美文化も堪能。きょう9日は、エクスカーションを行い、奄美各地を巡る予定となっている。