古仁屋高校寮整備へ

古仁屋高校の寮に改装される予定の県職員独身寮(瀬戸内町清水)

県職員独身寮借り受け改装
瀬戸内町 12月議会に予算上程

 瀬戸内町は7日、同町清水の県職員独身寮を改装し、県立古仁屋高校(大山良一校長)の寮を整備すると発表した。古仁屋高校は今年度から、島外での合同学校説明会に参加するなど入学生誘致に注力している。寮整備は入学希望者の受け皿の拡充につながり、今後の生徒確保への期待が高まる。町は改装にかかる予算を、11日開会の同町議会12月定例会に上程する。

 町企画課によると、同日地域振興に関する覚書を調印した福山市立大学(広島県)都市経営学部にデザイン・コンセプトを依頼。議会で予算が承認された後に着工し、年度内に内装工事の終了を目指す。外装は来年度の夏休みを利用するとしている。

 県職員独身寮は2010年度以降入居者がなく、遊休施設となっていた。町の申し出を受け、県が施設を無償で貸与する。同校寮への改装には「ふるさと応援寄付金基金」を活用するという。

 寮の受け入れ可能生徒数は14人。それぞれの個室のほか、カフェのようなコミュニティースペース、女性専用スペース、保護者が宿泊できるゲストルームなどを確保。同学部の根本修平講師は「学生とともに一緒にデザインを考えた。集まる集団の大きさをコントロールできるように設計の中で工夫している」と話す。

 また寮の整備に合わせ、町は新たに地域おこし協力隊を募集し、寮監として配属。同協力隊は「古仁屋高校コーディネーター」としての役割を持ち、高校生に対するサポート支援、精神面でのケアなどを担当することとなる。募集期間は12月28日までで、活動期間は19年2月からとなっている。

 大山校長は「学校として寮を持っていなかったので、自治体が運営してくれるのは本当にありがたい。寮があるというだけで、島外での生徒勧誘の方法も変わってくる」と期待を寄せた。