しめ縄作りの〝先生〟は地域民

地域のおじいちゃんたちの指導を受けながらしめ縄作りに挑戦した秋名小児童

転校生「楽しかった!」
龍郷町秋名小

 龍郷町の秋名小学校(平田郁夫校長、児童19人)は8日、同校で5・6年生児童5人を対象にした正月用のしめ縄作りを行った。秋名、幾里集落の両老人クラブのおじいちゃん6人が〝先生役〟を務め、児童は作り方指導を受けながら力を込めて稲わらをねじっていた。

 同校によると、特色ある教育活動の一環で「秋名田ぶくろ物語」と銘打って毎年、児童がもち米作りに挑戦している。2月の種籾つけから始まり、4月田植え、7月に稲刈り・掛け干し、8月以降に脱穀、精米、餅つきと続き、12月のしめ縄作りを同物語の最終章と位置付けている。

 しめ縄作りには、5年生3人、6年生2人の計5人が参加。6年生1人を除き4人は初挑戦となった。

 最初に①稲わらを手で握って、短いわらを下へ落としていく②稲わらを束ねて少し水をかけた後、石の台の上に置き、木づちでたたいて柔らかくし、ねじりやすくする③稲わらを木の棒に掛け、細めに束ねた3本の稲わらをまず右側にねじっていき、ねじる作業が終わると、3本を逆に左側に編んでいく④その作業を繰り返し、しめ縄の形にする⑤脇からはみ出た稲わらは、はさみで切り、完成形にした。

 学校によると、しめ縄は合計6本作り、1本は学校に飾り、残る5本は、正月に児童5人の家に飾るために利用する。

 同校には、宮城県から移住してきた家族のきょうだい3人が12月3日に転校してきたため、児童数は19人に増えた。

 転校生の五十嵐美空さん(6年)も初めてのしめ縄作りに挑戦した。「初めはやり方が難しい感覚だった。でもやっていくと楽しかった。指が少し痛かった」と感想を話した。

 昨年に続き2回目の体験をした池田亜翔夢君(6年)は「やり方を忘れていたけど、地域の人々に教えてもらい、うまく作れた」、初体験の平山怜乙名さん(5年)は「右側にねじるのが難しかった。指が痛くなった」と話していたが、しめ縄作りをやり終え、2人とも充実したような表情をしていた。