リュウキュウアサギマダラ冬越し

最低気温が15度を下回った朝、奄美大島北部の森林内でリュウキュウアサギマダラの冬越しの様子が見られた

奄美地方 最低気温15度下回る

 78年ぶりの記録更新となった12月の日中最高気温28・6度(4日、名瀬)から一転し、このところ奄美地方も気温の低下が続いている。9日の日中最低気温は15度を下回るところも。冷え込みが感じられた同日朝、奄美大島北部でリュウキュウアサギマダラの冬越しの様子が見られた。奄美に冬の訪れを告げる風物詩だ。

 淡いブルーの模様が入った翅=はね=が特徴で、翅を広げた時の大きさは7㌢ほど。東南アジアに分布するが、生息域で奄美大島が北限とされている。

 枯れ枝につかまり翅を寄せ寒さをしのぎ、越冬する幻想的な光景が見られたのは、集落近くにある小高い森林内。冷たい小雨が降る天候となったものの、樹木が覆いかぶさっているため、薄暗い森林内は雨の影響を受けない。数匹ずつ群れとなり、じっとしている様子はまるで眠っているかのよう。

 観察している住民は「やっと冬らしくなり、この1週間ほどポツリポツリと見かけるようになった。ただ、以前のように集団となっての塊を見ることは年々少なくなってきている。これも気象変動、温暖化の影響かもしれない。リュウキュウアサギマダラが冬越しできる環境を大事に、そっと見守ることを心掛けていきたい」と語った。

 気象庁によると、この日の最低気温で15度を下回ったのは奄美市笠利(14・5度)、同名瀬(14・2度)、喜界島(14・8度)、伊仙(14・6度)など。12月上旬から中旬並みと暦通りの冷え込みと言えそう。