大島地区青年農業者会議

青年農業者らが意見や事例を発表し合った大島地区青年農業者会議

事例発表で情報共有
「指導受け収量、品質向上」

 2018年度大島地区青年農業者会議(大島地区農業青年クラブ連絡協議会など主催)が13日、奄美市名瀬の同市農業研究センターであった。奄美大島、喜界島の農業者5人による意見・取り組み事例を発表。これからの目標や、成功事例などを語り、質疑応答などを通して情報共有を図った。

 同会議は青年農業者が先進事例を学んだり、相互交流を深めることなどを目的に毎年開催。この日は2島の農業者や、行政機関、団体担当者など約50人が出席した。

 意見発表では奄美市農業青年クラブから土屋陽輔さん、日高千夏さん、龍郷町ファーマーズクラブから内山香さんが登壇。土屋さんは、自身が取り組む酸度の低いパッションフルーツの栽培について説明。これからの販売について、「メディアを利用することが大切。奄美のパッションフルーツが一番おいしいとアピールしたい」と話した。

 大阪から移住し、奄美市で果樹、野菜を栽培する日高さんは、移住・就農のきっかけを語った後、将来像として、「障がいを持った人を直接雇用し、作物の成長を対等な立場で見守っていきたい」。タンカンを栽培する内山さんは、同クラブに参加したことで、「このままではいけないという危機感を覚えた」と話した。内山さんは今後、「これまでの経験をもとに行動し、指導をいただきながら、収量、品質の向上を目指したい」と語った。

 取り組み事例の発表では、宇検村で畜産を営む保池長人さんが、自給飼料確保に向け、作物の栽培体系を変更した例を発表。喜界町農業青年クラブの中山義浩さんは、同町の農業の魅力を伝えるために子ども向けの農業体験ツアーや、イベント実施したことを紹介した。

 5人の発表後、甑島「東シナ海の小さな島ブランド㈱」の山下賢太代表取締役による講話と分科会を実施。分科会では2島の農業の魅力などを考え、島内外への発信や、地域活性化につながる取り組みについて検討し、発表し合うなどした。