金子衆院議員会見

今年1年を振り返り、次期奄振の交付金活用などを語る金子衆院議員

次世代につなぐ取り組み大事
交付金活用民間との連携事業に期待

 自民党の金子万寿夫衆院議員=鹿児島2区=は25日、奄美市名瀬の事務所で会見を開いた。金子議員は21日に閣議決定された2019年度当初予算案のうち、前年度比2%増の24億4400万円を確保した奄美群島振興関連予算の奄振交付金について、「発射台として若干でも積み上げることでき、成果として良かったのでないか」と強調。19年は世界自然遺産登録が再推薦されることから、「確実に登録されるよう先人から島の宝を引き継ぎ、次世代へ50年後、100年後にしっかりとつないでいくことができるような取り組みが大事になる」と訴えた。

 金子議員は、「『西郷どん』放送や世界自然遺産登録などで、奄美にとって情報発信で大きな年だった」と回顧。ユネスコの諮問機関から「登録延期」を勧告された世界自然遺産登録の再推薦について、「郡民にとってもショックだったのでないか。この延長する2年間を大切な期間にして、外来種対策、自然保護、ノネコ問題対策など郡民として取り組まなければならない」と語った。
金子議員は奄振交付金の増額確保を「条件不利解消事業のメニューを広げたことが大きい」と自負。なかでも成長戦略を加速させる目的の支援として、地域が自らの創意工夫で民間と連携する新しい事業を開始から3年間「特定重点配分対象事業」とし、交付率を引き上げるなどの支援措置導入が大きかったとした。

 交付率を10分の5から10分の6に引き上げ、残りの10分の4には特別交付税が措置される。1億円の事業の場合、実質の市町村負担は1500万円になるという。

 金子議員は「この支援措置でハコモノはできないが、地域の人が創意工夫して目玉を打ち出して行政と民間が連携して取り組む事業に支援する制度。奄美の宝を生かしていろいろな取り組みをすることで、若者が働ける場ができ、地域の活性化につながるだろう。次期奄振からは、そういう意識を強く持った取り組みをしていただきたい」と地域と連携した政策づくりに期待した。