市民団体「復帰のつどい」

泉芳朗氏の胸像に献花する、甥の宏比古さん(写真はおがみ山公園復帰記念広場)

泉氏胸像へ献花
先人の思いを継ぐ決意新た

 奄美群島が日本復帰した1953(昭和28)年12月25日から65年目となる25日、奄美市名瀬のおがみ山公園復帰記念広場で「日本復帰市民のつどい」があった。広場に建てられ、復帰運動を牽引した泉芳朗氏の胸像に団体代表者が献花。また広場中央の記念碑前で「日本復帰の歌」を斉唱し、先人の苦難に思いをはせながら、歴史を語り継ぐ決意を新たにした。

 復帰伝承に関連した民間団体「奄美群島の日本復帰運動を伝承する会」「潮鳴会」「復帰を語り 島づくりを考える会」「奄美郷土研究会」―の主催。この日は関係者など約30人が朝早くから広場までの急しゅんな山道を登り、集会に参加した。

 団体関係者によると、市主催の復帰記念行事が開催会場を名瀬小学校に変更後も、同広場での集会継続を望む声があり、2年前から市民有志や団体が実施している。

 主催団体を代表して大津幸夫さん(85)は「復帰運動の聖地として、歴史の足跡を風化させないことが我々の使命」と述べ、先人が果たした日本復帰伝承の意義をあらためて強調。70周年に向け、▽復帰記念館の設置▽島外郷友会の集結▽おがみ山登山ルートの観光的整備―を提言。その実現を行政に求めていく意向を示した。 

 最後は来年の集会継続と記念事業の開催に気勢を上げ、閉会した。

 3年ぶりに奄美を訪れたという、泉氏の甥にあたる神奈川県在住の泉宏比古さん(60)は「地元が伯父の功績を称えていることを大変光栄に思う。今後も来島する機会を持ちたい」と話した。