方言継承へ連携・協力協定

調印式に参加した左から和泊町の竹下安秀教育長、前田修一副町長、伊地知実利町長、国立国語研究所の田窪行則所長、木部暢子副所長、山田真寛准教授=和泊町=

和泊町と国立国語研究所
「沖永良部をモデルケースに」

 【沖永良部】和泊町と国立国語研究所(東京都立川市)が25日、沖永良部和泊方言の調査、研究、継承活動に向けた連携・協力に関する協定を結んだ。同研究所の田窪行則所長は「全国のモデルケースとなる取り組み。自治体と協力して言語の復興活動をしていきたい」と語った。

 国立国語研究所では、消滅の危機に瀕した地域言語の価値を伝え、継承活動を支援するプロジェクトを行っている。これまで、同研究所の山田真寛准教授や横山晶子氏が進めてきた沖永良部の方言の調査・研究を両機関で発展させようと協定を結んだ。

 役場町長室であった調印式には、同研究所の田窪所長、木部暢子副所長、山田准教授の3人が出席した。

 協定における連携・協力事項は▽沖永良部和泊方言の調査・研究・継承活動▽町内の人材・施設・設備の利用―など。期間は3年間。

 新年度の事業計画は、方言に関する講演やワークショップなどの開催、しまむに(方言)辞典の制作、しまむに映像コンテンツの制作準備などを予定している。

 伊地知実利町長は「若い人は方言を話さなくなったし、伝える人も少なくなっている。島の大事な文化である方言を守っていくという気風を作りたい」と話した。

 山田准教授は「プロジェクトのターゲットは大人。両親が学ぶことで子ども達のモチベーションにもなる」と話した。

 後日、知名町でも調印式を行う。