「光センサー選別」アピール

高性能光センサーを活用したタンカンの選果選別が行われている奄美大島選果場

タンカン取扱でJA
地元市場にも出荷

 特産果樹・タンカンは収穫期に入っているが、奄美大島選果場=奄美市名瀬朝戸=では高性能光センサーによる選果選別が行われている。指定管理者として同選果場を運用するJAあまみ大島事業本部は、「光センサー選別」のメリット(品質保証)をアピールすることで選果場利用を促進しているが、今期から地元市場への出荷にも乗り出している。

 JAでは今月1日、「奄美たんかん」の収穫開始を告げるはさみ入れ式を奄美市住用地区の果樹園で実施。翌2日から選果場は稼働しており、本茶地区(名瀬)や福元地区(大和村)など上場(山間部)の収穫が本格化する今月中旬以降、今月いっぱいが稼働のピークとなる見通し。

 選果場にはJAが販売する共販だけでなく、選果のみの委託のタンカンも持ち込まれている。大島事業本部経済課によると、現在の状況として昨年の台風被害による傷果等が目立ち、階級では最も上位の秀品(糖度11・0以上、外観A)の割合が低い傾向にあるという。

 採用されている光センサー方式の選果システムを利用することで味のばらつきのない高品質のタンカンが流通する。JAでは販売にあたって化粧箱に、信頼の証として「光センサー選別」を印字しているほか、ビニール袋などに張ることができるシールも準備している。表示により「光センサー選別」をアピール、値段面の差別化を図っているが、地元市場(名瀬中央青果)には光センサー選果機を利用していないタンカンが出回っている。

 そこでJAでは、市場関係者に果実の外観や品質向上につながる光センターのメリットを実感してもらう取り組みに着手。1回目は約150㌔のタンカン(5㌔入りの化粧箱で秀品)を地元市場に出荷した。経済課は「光センサー選果機を通した果実で一番いいものを今後も継続的に地元市場に出したい。比較により評価してもらうことで、光センサー利用の必要性を生産者や卸業者が理解してほしい」と話す。

 なお、選果経費(選果料・利用料)は、共販・委託併用の場合キロ当たり18円、委託のみは同26円。