徳之島町ワーケーション実証事業報告会

実証報告会で総括する高岡町長
実証報告発表したメンバーたちと高岡町長

一体的に盛上げる体制必用
改善要望や意見出される

【東京】徳之島ワーケーション実証事業報告会がこのほど、品川のJALイノベーションラボで開催された。旅行先での一部の時間を仕事に充てる「ワーケーション」について、発表者からは海に面した環境を肯定する意見や、コワーキングスペース(作業場をシェアして共有するオフィス環境)の改善要望などが出された。

同報告会は徳之島町が2018年度に新設したコワーキングスペース「みらい創りラボ・井之川」を拠点にワーケーション(「ワーク」&「バケーション」の造語で働き方改革の方策として着目されている新しい働き方)の可能性を実証する目的。同町はワーケーションを導入している日本航空(JAL)、Webデザイナー等クリエイターを育成しているデジタルハリウッド㈱および富士ゼロックス鹿児島㈱と連携し、18年の11月下旬から12月中旬に3泊4日のワーケーションを実施。JALのワーケーションの離島開催は徳之島が初めてという。

報告会では、「これまでのワーケーションの取組紹介」をJAL人材戦略部ワークスタイル変革推進グループアシスタントマネージャーの東原祥匡氏が説明し「フィードバッグできたのは初めて」と語った。

実証報告発表では11人が発表を行い、全員がコワーキングスペースについては、目の前に海が広がる夢のような体験スペースと称賛。一方、働く主婦仲間と訪れた女性からは「人が宝の島だが、一人で仲間の子どもも預かってワーケーションするのは無理な環境」との意見も。その他に「Web即時予約、Web間際変更。早朝・夜間開設、個室や電話スペースの設置」の要望があった。

また、「島内の企業も巻き込む形で人材交流できれば新しい形での人材育成の場になる予感」、「3町が一体となってワーケーションを盛り上げていく体制が必要」「キラーコンテンツとなれる闘牛の迫力の被写体力をもっとPRして」等の意見が出された。

ほかにスマートワーク㈱の吉田徹CEOが「テレワーク地方創生、徳之島デジタルファクトリープロジェクトについて」と題して講演した。

最後に、高岡秀規徳之島町長は「相当な課題を突きつけられ、甘くないなと感じた。徳之島でないとだめという特化したものがあるのかが一番弱い。ただ、子どもの教育にプログラミングを採り入れ、大きな壁を乗り越える楽しさがでてきている。今日の意見を持ち帰り、覚悟を決めて、引き続きこの事業を継続していきたい」と話した。