中学生ら(右側)に英語を教える高校生(左)=和泊中学校=
和泊中学校「和中郷中」
伝統の教育制度「郷中教育」から学ぶ
【沖永良部】先輩が後輩を指導する鹿児島の伝統的な青少年教育制度「郷中教育」から学ぼうと、和泊町立和泊中学校(上久保大介校長)で22日、「和中郷中」の授業が行われた。指導役となったのは沖永良部高校3年生の12人。中学生らは、先輩の説明を熱心に聞き、答えが出ると「わかった」と声を上げた。
今年度からの新しい取り組みで、異年齢の交流と学習意欲の向上を図ることが目的。
授業には、同中の2年生42人が参加。3~4人のグループに指導役の高校生1人が付き、数学(一次関数)または英語(英文読解)を教えた。
数学のグループでは、高校生が「この数字を公式に入れてみて」「わからないところは質問して」と一人一人にアドバイス。中学生の中には、授業終了の合図が鳴っても解き方を聞き直す人がいた。
同中2年の山田悠太さん(14)は「先輩が優しく教えてくれた。自分も後輩に指導できるようになりたい」と話した。
沖高3年の平拓巳さん(18)は「教えるのは難しかったけど、後輩が積極的に質問してくれたので、授業がやりやすかった」。福光広さん(18)は「普段は自分が教えてもらう立場。教える側になるのは不安だったが、自分の言葉に中学生がすごくいい返事をしてくれたのがうれしかった」と語った。