ノネコ捕獲等検討会

ノネコ捕獲等検討会

ノネコ捕獲状況や新年度方針案などを協議した

成果の拡充努力必要
捕獲やモニタリング状況検討

2018年度奄美大島における生態系保全のためのノネコ捕獲等に関わる検討会(座長・石井信夫東京女子大学教授)が6日、奄美市名瀬のAiAiひろば会議室で開かれた。昨年7月から開始されたノネコ捕獲作業の状況やモニタリング状況を報告。捕獲効率などについて意見交換し、新年度の作業方針案の検討を行った。

奄美大島ではノネコ(野生化した猫)が山中で、希少種などを捕食する問題がありノネコ管理計画を策定。同計画は▽森林内からノネコの捕獲排除▽ノネコの発生源対策を2本柱として、国・県・奄美大島5市町村が役割分担して実行するもの。

同検討会には有識者5人の検討委員のほか、環境省や関係機関、市町村の担当者らが出席。石井委員が座長に選出され議事を進行した。

ノネコ対策の実施状況、ノネコの捕獲状況、モニタリング結果などを、環境省奄美野生生物保護センター職員や市町村担当などが報告。捕獲状況は2月末現在、捕獲数38匹で譲渡数も38匹、安楽死の措置ゼロ。発生源対策の野良猫TNR事業は、5市町村で864匹と報告された。

捕獲作業は今年1月から、作業エリアを追加しカゴわなの稼働日数を増やすなど強化。また作業エリア以外で、希少種が多い森林内での目撃情報に基づくピンポイント捕獲作業の実施も報告された。

カゴわなにハシブトカラスの混獲が発生している状況があり、委員からは「本土で使用されているアライグマ用のわなを使用してはどうか」との提言も。また既にノネコ捕獲に取り組んでいる小笠原の事例から、その知見の活用を求める意見などが出された。

今後の方針について、月あたりの捕獲努力量を拡充しノネコの個体数低減などを図る案を提示。委員からは「いかに効率的に捕獲していくか。奄美大島の生態系保全に向けて取り組んで行くかを考えてもらいたい」「モニタリングを継続して、作業効率を上げてもらいたい」などの意見が出された。

環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室の番匠克二室長は、報道陣の取材に対し「一定の成果確認できたことは大きい。引き続き地元の協力を得て、進めていくことが大事」「どの餌が良いかなど現場で引き続き工夫していく必要ある。限られた場所では、成果が出ている。これを広げていく努力をする必要がある」と語った。