門扉・施錠で保護強化

門扉・施錠で保護強化

三京林道を視察する関係者(円内は協定書調印式)=19日、天城町

ガイド同伴義務づけ 天城町「三京」「剥岳」両林道
3者で協定

 【徳之島】林野庁九州管理局鹿児島森林管理署(山口輝文署長)は19日、世界自然遺産推薦地を含む天城町内の国有林域の「剥岳(はげだけ)林道」および「三京林道」の利用に関する協定を同町当局(森田弘光町長)、徳之島エコツアーガイド連絡協議会(美延睦美会長)の3者間で結んだ。希少動植物や森林生態系の保護、安全利用が目的で、三京林道も近く門扉を設置・施錠。一般車両の進入を規制し、ガイドなしの入林は原則禁止となる。

 同森林管理署によると、「剥岳」「三京」両林道(いずれも管理用道路)周辺は、希少動植物や森林生態系を将来にわたって保護していく「奄美群島森林生態系保護地区」。奄美群島国立公園の特別保護地区~第2種特別地域。さらには世界自然遺産登録再推薦地をそれぞれ包含。剥岳林道(全区間約2・3㌔)については、希少種の盗採防止などのため2016年12月から両サイドの門扉を施錠、先に一般車両の進入を規制している。

 今回の協定締結で同エコツアーガイド付きで利用(有料)できる区間は、▽剥岳林道の全線(2・3㌔)▽三京林道(全線約4㌔のうち)起点から2・2㌔。ツアーの利用目的は「歩道」。入林希望者は、事前に徳之島森林事務所や天城町役場企画課に書面連絡で申し込みが必要。4月から施行し、三京林道についても5月ごろまでに施錠する方針。ガイドなしの徒歩立ち入りも原則禁止にするという。

 天城町役場であった調印式で、山口・鹿児島森林管理署長は、「三京林道地域は世界自然遺産への緩衝地帯だったが、今回の見直しで推薦区域に追加。(二次林が)本来の姿に戻っていく姿を示す場所にもしたい」。そして「ゲート(門扉)を設置して厳格な保護に取り組む姿勢を示し、世界自然遺産登録への準備が地元一体で進んでいることも強くアピールできる」とも。

 森田町長は「地元では来年夏の世界自然遺産登録を確固たるものにと決意を新たにしている。両林道のある三京集落など地域ともしっかりと連携し、世界に誇れる自然を守りたい」。エコツアーガイド協の美延会長も「徳之島の森の最大の理解者となって、悠久の先祖たちが伝えた豊かな自然を子や孫に伝えていけるよう尽力したい」などと決意を述べた。

 三京林道、剥岳林道の順に現地視察も行われた。