「規制必要性高い評価」

認定ガイド同行の利用ルールなどの実施状況が報告され今後の利用適正化に向けて協議した(2月27日、金作原)

金作原利用試行ルール 意向調査で実施状況報告
奄美大島適正化会議

 県自然保護課などは26日、奄美市名瀬の県大島支庁で2018年度「第2回奄美大島利用適正化連絡会議」を開いた。民間団体やバス会社、関係機関などが参加し、2月に開始した金作原での利用適正化の試行ルールの実施状況が報告され、大型連休や繁忙期に向けた意見交換などを行った。質疑で参加者からは「地元の人が利用する場合でも認定ガイドが必要になるのか」や「教育目的での利用も、認定ガイド同行になるのか」などの質問があった。

 議事では▽金作原利用適正化試行ルールの実施状況▽金作原利用適正化の検討の進め方―など協議。県担当者から、2月27日に開始した金作原利用適正化の試行ルールの実施状況などが報告された。

 ガイドツアーなどの予約データに基づく利用状況調査から、22日までの24日間の入込状況を分析。ガイドツアーは1日最大9台(利用者68人)で、平均が5・4台(同31・3人)。バスツアーでは、1日最大7台(同138人)で、平均が1・4台(同26・3人)と同時間帯の制限以下だった。

 県担当者は「最大を記録した22日は、大型クルーズ船の入港があったためではないか」と説明。また利用者にアンケートで意向調査して、141人から回答を得た。

 県担当者は「回答から金作原の満足度や、保護のための規制の必要性などに高い評価があった」と報告。ただ島内からの個人利用において、ガイドツアー利用者に比べて満足度や保護の趣旨、規制の必要性に理解があったが、10ポイント前後低い結果だった。

 バスツアーの利用者などからは、トイレや歩道の整備を求める意見もみられた。県担当者は「利用の動態を踏まえて、寄せられた意見を基に必用に応じてルールに反映させたい」と話した。

 参加者からは認定ガイドでないガイドが金作原でガイドしていた違反行為の報告や、「個人事業者に猶予期間は設けられないのか」「住民の金作原利用にガイド同行という条件を緩和できないか」などが事務局に質問された。

 今後の利用適正化に向けて事務局は、「10月ごろに貸切バスのガイド同行ルールを開始し、その前後に次回の利用適正化連絡会議を開催したい」と語った。

 またエコツアーガイド連絡協議会の喜島浩介会長は、「小中学生対象に金作原での学習ツアーを構想している。認定ガイドや登録ガイドがボランティアとしてガイドツアーと重ならない時間帯に実施したい」との発表もあった。

 奄美市紬観光課の島袋修課長は「観光客の増加は今後も続き、金作原の利用も増えていくだろう。話し合いを続け試行ルールのより良い方向性が示されると良いだろう。スムーズに観光客を受け入れ、地元も満足できるようになれば」と話した。