瀬戸内町、三愛会と包括連携協定

協定に調印した鎌田町長(右)と川村理事長(左)

所属医師1人が常駐巡回診療を支援

 瀬戸内町は26日、鹿児島市の医療法人「三愛会」(川村英俊理事長)と包括連携協定を結ぶ、締結式を行った。4月からは三愛会所属の医師が同町に常駐し、週2回は同町へき地診療所の巡回診療の支援にあたる。

 同診療所は医師2人体制で外来診療・巡回診療、入院病床の運営を行ってきた。町設置の診療所運営員会の中で地域医療連携法人「ANMA」(アンマ)の医師から、医師の増員による勤務環境・経営の改善を求める意見があった。

 町はアンマの医師の紹介・助言で、へき地診療による社会貢献と社会医療法人化を目指す三愛会との協定締結に向け、昨年10月ごろから協議を進めてきた。同協定締結後、同町に常駐する医師は巡回診療支援のほか、アンマとの連携で医師が不足する病院・介護施設等での診療支援などに携わることも検討している。

 締結式には、町から鎌田愛人町長や関係各課長が、三愛会から川村理事長などが出席。鎌田町長は「医療の確保・維持は安心なまちづくりの根幹であり、新たな時代を切り開く礎=いしずえ=となる。包括連携協定は全国の離島・へき地における持続可能な医療体制の在り方を模索するモデルになり得る」と語った。

 三愛会によると、同会と自治体との包括連携協定の締結は今回が初めて。川村理事長は父の出身地が同町請島の池地集落。ルーツを持つ瀬戸内町との協定締結について、「宿命のようなものを感じる。医療・介護関係の統合的な支援、情報提供などを行っていきたい」と話した。