県議選大島郡区、自民が議席独占

トップ当選を決め支援者らと万歳三唱して喜ぶ禧久氏

禧久氏がトップで4選決める
寿肇氏が初当選

 任期満了に伴う県議会議員選挙は7日投開票され、大島郡区(定数2)は自民現職の禧久伸一郎氏(62)が1万2548票を獲得、前回に続きトップで4選を飾り、次いで、自民新人の寿肇氏(45)が1万419票を獲得、2回目の挑戦で初当選を果たした。徳之島が地盤の3人による三つどもえの戦いは、組織力を生かした自民公認の2人が制し、無投票だった奄美市区を含め、奄美関係の4議席全てを自民が占めた。大島郡区の投票率は60・30%で、2015年の67・58%を7・28ポイント下回った。(9面に関連記事)

 欠員1となっていた同区に立候補したのは、禧久氏、寿肇氏のほかに無所属新人の寿洋一郎氏(74)の3人で、2議席を現職1人と新人2人で争った。

 禧久氏は、観光や農業をはじめとする奄美群島の産業振興や世界自然遺産登録の実現に向け取り組んできた3期12年の県政での実績をアピール、現職の知名度を生かし支持を広げた。自民、公明両党の友好団体や町村議、企業の支援も取り付けるなど、終始盤石な戦いを展開。地盤である徳之島のほか、喜界島や奄美大島、沖永良部島など群島各地で手堅く票を集め、他候補を引き離した。

 前回、無所属で出馬した寿肇氏は今回、自民党の公認を得て、組織的な選挙戦を展開。特産品を活用した商品開発や農産品のブランド化による競争力強化などを公約に掲げ、農業者の立場から農業振興の推進を訴えた。地盤の徳之島で手堅い戦いを進めたほか、地元選出の国会議員の支援も受け、群島各地で知名度の浸透を図った。

 元天城町長の寿洋一郎氏は群島くまなく回り、首長として地域発展に取り組んだ経験や定住人口の拡大などの政策を訴え、無党派層の取り込みを狙ったが、及ばなかった。

 大島郡区の当日有権者数は4万9251人(男2万4234人、女2万5017人)、投票者数は2万9699人(男1万4772人、女1万4927人)だった。