古仁屋戦争遺跡マップ

古仁屋戦争遺跡マップ

きゅら島交流館前に設置された戦争遺跡マップの看板と鼎学芸員

パンフレット、看板で周知
瀬戸内町教委 ガイド養成も検討

 瀬戸内町教育委員会社会教育課埋蔵文化財センターはこのほど、同町古仁屋の戦跡の位置などをまとめた「古仁屋戦争遺跡マップ」を制作した。市街地に看板が5基設置され、パンフレットが公共施設などに置かれている。同課埋蔵文化財担当の鼎丈太郎学芸員は「マップ片手に町内を周遊してほしい。観光客だけでなく、子どもたちなどにも地元の歴史を知ってもらうきっかけになれば」としている。

 マップは2014年から、町が進める古仁屋市街地地区都市再生整備事業の一環として作られたもの。パンフレットを1万部印刷し、町内の観光施設や、町役場などに配布。看板は、▽きゅら島交流館前▽春日公園前▽せとうち海の駅前▽古仁屋小学校前▽古仁屋高校前―の5カ所に設置された。

 戦跡についてわかりやすくするためシンプルなデザインに。奄美大島要塞司令部や同島陸軍病院など、古仁屋市街地の戦跡が示されるほか、町役場など目印となる建物も記載。詳細な情報をインターネットで確認することができるように、町教委がまとめた「文化財報告書」にアクセス可能なQRコードも載せられた。

 外国人観光客に対応するため施設についての説明などは英語でも表記。ハブへの注意やガイドの同行を呼び掛る注意書きも掲載されている。

 同社会教育課では今年度、町内遺跡を案内する認定ガイドの養成も検討中。すでに先進地との意見交換なども実施しているという。鼎学芸員は「ガイドに案内を任せたい。パンフレットは小中学校の教材としても使ってもらえれば」と語った。