米軍機目撃情報 奄美群島で18件

奄美市名瀬大熊町上空を低空飛行する米軍輸送機「オスプレイ」(市民提供2月27日撮影)

市民団体、低空飛行の慣れ懸念
県危機管理局18年度まとめ

 県危機管理局によると、米軍など軍用機による低空飛行の県内情報提供数は2018年度77件(速報)とまとめた。そのうち奄美群島内での情報提供数は全体の約半数に上る35件(前年度42件)で、防衛省九州防衛局はそのうち18件(同12件)を「米軍機の可能性あり」と回答したが、機種など詳細は明らかにしていない。

 県内で「米軍機」とする低空飛行の目撃情報数は、17年度は82件中48件、16年度は86件中56件、15年度は34件中21件。同局は「あくまで地元行政に市民から届けられた情報提供に対する確認分」としており、未提供分を考慮すると飛行実態はさらに多くなるとみられる。

 低空飛行とは、航空法上、最低安全高度(住宅密集地域で最も高い建物から300㍍、その他は地上から150㍍)以下の飛行を指す。

 市民団体「奄美ブロック護憲平和フォーラム」(関誠之代表)は、低空飛行の恒常化と住民への危険性に言及する一方、市民が機体に見慣れ、情報提供数が鈍化することに強い危機感を募らせる。

 同団体には、これまで米軍輸送機(オスプレイ、C―130など)の目撃情報が寄せられている。以前から低空飛行の情報収集につとめているが、最近では、▽公立中学校卒業式の最中(3月12日正午)▽一日に3度(同月21日 午前11時ごろ、午後2時ごろ、同4時ごろ)▽ほぼ同じ時間帯(4月2~4日)―など、奄美市名瀬市街地でのオスプレイ情報が相次いでいるという。

 さらに3月27日午後4時過ぎ、沖永良部空港にオスプレイ2機が緊急着陸したケースでは、同団体関係者が同2時ごろ、名瀬市街地上空を南に飛ぶ同機2機を目撃。「米軍機が飛ぶ状況を、島民が当たり前のように感じていくのでは」と“招かざる客”への関心の薄まりを懸念している。