急傾斜地対策事業現場など視察

急傾斜地対策事業現場など視察

大和村大和浜の急傾斜地崩壊対策事業の現場を視察する関係者ら

 

県大島支庁と行政関係者
合同防災点検

 

 県大島支庁は28日、奄美大島の自治体などと合同による2019年度県下一斉防災点検を実施、大和村大和浜の急傾斜地崩壊対策事業の工事現場など2カ所を視察した。同支庁や奄美市、大和村の関係者ら約30人が参加、災害危険箇所を確認し、未然防止に向けたハード整備と防災意識啓発の重要性を再認識した。

 点検は災害の未然防止などを目的に毎年、梅雨シーズンを迎えるこの時期に行っているもので、奄美大島では2010年の奄美豪雨災害を教訓として、自治体の事業担当者と防災担当者、大島地区消防組合などの関係機関が連携して防災意識の醸成を図っている。

 大和村大和浜では、奄美豪雨災害で一部がけ崩れを起こした傾斜地を含む県道沿い約200㍍の現場を、近くの村防災センター屋上から視察。高さ約40㍍に渡って、擁壁と吹き付け工法による工事が行われている斜面下には住宅のほか村役場などもある。

 支庁建設課の職員がパネルなどを使って工事の進捗状況や自然環境への影響を考慮した工法などを取り入れていることを説明、上大田孝成部長は「災害を未然に防ぐため、県としても対策事業を進めているが、奄美大島は急傾斜地が多くハード面だけでは限界がある。地域全体で防災意識を高めてもらい、災害時には早めに避難するなど対応してほしい」と話した。

 このほか、豪雨時に土石流の発生が懸念されている奄美市名瀬浦上地区の与蓋川で行われている砂防堰堤の工事の現場も視察した。