利用ルールの現状課題や対応策などを協議した
奄美大島エコツアーガイド連絡協議会(喜島浩介会長、会員81人)は29日、奄美市名瀬のAiAiひろばで2019年度総会を開いた。今年2月末からスタートした奄美大島の自然を代表する「金作原」=同市名瀬=への利用ルールについて、会員から認定ガイド同行が守られていないとの指摘が出た。事態を重く見た同協議会は、関係機関と罰則規定の盛り込みなどルール強化を協議する意向を示した。
世界自然遺産推薦地となっている金作原の観光客増を踏まえ、立ち入る際の利用ルールとして、▽奄美群島エコツーリズム推進協議会の認定ガイド(有料)の同行▽利用者数、車両数(同時間帯で最大10台)の制限―を設定。「奄美大島利用適正化連絡会」が2月27日付で試行した。
意見交換では複数の会員から未認定ガイドによる現地案内の実態に言及。会員共有のガイドスケジュールから3、4月の時点で違反行為があったとし、「試行直後からルール破りが繰り返されている。利用のあり方、今後の対応を組織全体で考えてほしい」と指摘した。
それに対し、未認定ガイドが所属する事業所代表は「団体客や代理店からの予約に対応調整ができず、(ガイドを)配置した」とルール破りを認め、出席した会員に陳謝した。
事務局の奄美群島広域事務組合は会員ガイドのルール順守の徹底に向け、県や自治体との連携を図る方針。現行ルールの中で問題点や課題を抽出し、現行で盛り込まれていないパトロールや罰則規定の設定を検討していくとした。
喜島会長は「会員の意見を集約し、現状を県に報告したい。あらためて会員にはルール徹底を呼び掛けたい」と話した。
総会では18年度決算や19年度事業計画を承認。同協議会設置要綱の改正では、ガイド登録の申請や手続き変更などのほか、事務局を同組合から奄美市紬観光課への移管が盛り込まれた。また地域住民を対象にした「金作原ボランティアガイド」の実施計画についても説明があった。
任期満了に伴う役員改選があり喜島会長ほか、現職の副会長、世話役などを再任。欠員による新世話役に中岡省吾氏、1人増とした新監事に荒田政行氏がそれぞれ就任した。