全国の「はばたく商店街30選」に選ばれ表彰された奄美市通り会連合会の恵枝美会長
小中高生の思い出づくりに貢献している名瀬まち商店街のイベント
経済産業省は、地域の暮らしを支える生活基盤として商店街の活性化や地域の発展に貢献している商店街を「はばたく商店街30選」として選定した。奄美市通り会連合会(恵枝美会長)=名瀬まち商店街=も選ばれ、表彰。同連合会の取り組みでは若者のUターン促進に向けてイベント開催により、小中高生の思い出づくりに貢献している点が評価された。
選定された商店街30選には、全国的に知られている札幌市の札幌狸小路商店街も含まれている。九州・沖縄からは5商店街が選定され、鹿児島県内は奄美市通り会連のみ。
商店街の成功例を紹介することで、少子高齢化や人口減少が進む地方の活性化の一助とするのが狙い。取り組みを収録した冊子を作成、公表(中小企業庁ホームページでも)、全国に紹介している。7通り会189店舗で構成する奄美市通り会連の取り組みでは、「商店街で小中高生に思い出つくりの場提供」がある。島外へ進学・就職し、出身地である島を離れても、いずれは島に帰りたいと思うように、商店街での楽しい思い出づくりへ各種イベントを開催。8月の夏祭り、11月の秋祭りなどで、高校生が行うステージイベントは伝統行事にもなっているという。
こうした取り組みの成果では、▽中心市街地で2017年度に営業店舗数が9店舗増加▽高校生が商店街活動に関わることを通じて店舗との交流の深まり▽若手の経営者による商店街活性化の機運醸成(各個店の売上に結び付けようと、各店を巡るウォークラリーなど開催)▽18年8月の調査で、通行量が前年同時期比で約7%増加―などを挙げている。
表彰式に参加し賞状と盾を受け取った恵会長は「(30選に選定は)大変ありがたく、商店街の先輩やまちづくりの協力団体、商店街に足を運んでくださったみなさんのおかげで選定され受賞できた。表彰と同時に懇親会にも参加し、全国の商店街との情報交換ができたのも大きい。今回を契機にさらに活動に取り組み、充実させていきたい」と語った。
なお、ITサービス導入や経営資源の有効活用等による生産性向上、積極的な海外展開やインバウンド需要の取り込みなど、さまざまな分野で活躍している中小企業・小規模事業者も「はばたく中小企業・小規模事業者300社」として表彰された。