登録流れや外来種対策学ぶ

龍南中1年生と保護者に環境学習の講座を行った奄美野生生物保護センターの牧野さん

龍南中環境学習 環境省職員が講師

 龍郷町の龍南中学校(冨士篤也校長)は6日、同校図書室で環境学習の講座を行った。同校の1年生42人が参加し、講師の奄美野生生物保護センターのアクティブレンジャー牧野孝俊さんから世界自然遺産登録の流れや外来種対策などを学んだ。講座は家庭教育学級も兼ねており、保護者も一緒に参加して聴講した。

 同校ではこれまでに生徒会役員や1年生などが、特定外来生物オオキンケイギクの駆除活動や外来植物調査などに取り組んで来ている。今回は座学で奄美群島国立公園や、自然の特徴、外来種問題などを学び、今後の駆除活動などに役立てるという。

 牧野さんがスライド資料で、奄美大島の自然の特徴や世界自然遺産登録に向けての課題などを解説。同校の環境学習に長く関わっている龍郷在住の宇都宮英之さんも、アドバイザーとして参加し講座をサポートした。

 牧野さんは奄美大島の面積が日本列島の0・19%で、さまざまな生きものが生きている生物多様性の環境がある島と指摘。自然の特徴は、▽暖かい気候▽雨が多く降る▽いろいろな環境があるとして、世界最大規模の亜熱帯照葉樹林が見られるとした。

 奄美群島国立公園は国内34番目で、2017年3月7日に誕生。貴重な自然のある湯湾岳や金作原の一部などは特別保護地区として、強い規制がかかっていて自然保護が図られていることを強調した。

 牧野さんは「世界自然遺産登録は簡単ではなく、IUCN(国際自然保護連合)の現地調査や審査を経て決定する。交通事故や外来種対策などの課題がある」「外来種駆除が世界自然遺産につながる。貴重な自然を守り残していくために、遺産登録を目指している」などと語った。

 講座終盤に生徒などとの質疑応答を実施。「アフリカマイマイなどを駆除していいか」の質問に、牧野さんは「よくその種を調べて、特定外来生物の場合は環境省や役場などに相談してほしい」と回答した。

 重原優哉君(12)がお礼の言葉で、「遠い所から来てもらい、環境学習をしていただき感謝します。外来種の調べ学習の参考になりました」と話した。