大玉果は量が少ないため高値のスモモと、これから量のピークを迎えるパッションフルーツ
地元市場・名瀬中央青果㈱(森山直樹社長)に入荷している青果物は、地場産果物では現在スモモとパッションフルーツを取り扱っている。いずれも5月後半から入荷しているが、加工用ではなく生果としての需要があるスモモの大玉果実(4L・3L)は高値で取引されており、平均単価の2・5倍の値段がつくことも。ただし記録的不作なため量が少なく、買受人からは注文に対応できないという声も聞かれる。
市場は日曜と水曜が休みで、翌日は量が増える傾向にある。木曜の6日には、スモモはこれまでで最も量が多い939㌔が主力産地の大和村などから入荷した。市況(キロ当たり単価・税込)をみると、高値で1782円(4L)をつけ、平均は700円余りだった。
4L・3Lの大玉で傷などのないA品は高値で取引されているが、今年の場合入荷量が非常に少ない状況にある。入荷量を全体でみると、昨年は5月時点で3249㌔あったが、今年は1548㌔と半分程度にとどまった。昨年の6月の入荷量は28㌧に及んだが、今年は6日時点で2・9㌧。スモモは6月の中旬になると量が減る傾向にあり、今年は「6日の量がピークではないか。生産状況から今後増えるとは考えられない」と中央青果は見ている。
「奄美プラム」(スモモ)は、大玉の果実は生で食す需要があり買受人には本土からの注文も入っている。しかし、「4Lサイズを3箱(1箱=3㌔)送りたいのに、大玉が少なくそろわない。今年の場合注文に応じることは難しい」との声も市場には寄せられている。
パッションフルーツの方は産地として組織的な取り組みが進む瀬戸内町のほか、奄美市名瀬の小湊地区などから入荷している。スモモ同様5月後半から始まったが、今月中旬~下旬にかけて入荷量のピークとなりそう。6日は袋詰めで578㌔、専用の化粧箱入りでは約600㌔を取り扱った。一箱12個入りの化粧箱(1㌔)は1717円の値段がつくものもあり、まだ量が少ないため高値傾向にある。
作付面積が増えているパッションフルーツは、台風などの被害がなければ生産量の増により市場で取り扱う入荷量が増えるとみられている。現在の市況は千円以上と高いものの、今後の量の増加で値段は落ち着きそうだ。
なお、市場では商品の品質向上へ選別の徹底を呼び掛け。A品は、傷果(すり傷、ツメ傷)、害虫被害果などの混入がないよう細心の注意を払うよう求めている。