干潟の生きものを観察して講師から生態系の仕組みなどが語られた
奄美市住用町の市小中学校(神宮司善文校長)は7日、同町山間のマングローブで夏のふるさと学舎として干潟の生きもの観察を行った。ふるさと体験留学生なども参加して、講師からカニ類、魚類、マングローブで見られる植物の解説を受け干潟の生態系などを学んだ。また島外から「くろうさぎ留学生」として同校に通う児童生徒は、自身の生まれ育った地域の自然とは違う奄美の雄大な自然を体験して満喫した。
同校では3日から、市街地の子どもたちと同校の児童が一緒に学ぶふるさと体験留学の最終日で「夏のふるさと学舎」として、体験活動で干潟の生きもの観察などを計画している。
講師を自然写真家の常田守さんが担当。観察活動に同校児童生徒11人と、ふるさと体験留学生の12人合わせて23人が参加した。
常田さんは参加者を前に「マングローブの干潟は国立公園の特別保護地区に指定されている所もある。許可なく生きものは捕まえられない。生きものは手に取り、写真を撮ったら元に帰すように」などと観察時の注意事項を説明した。
参加者は干潟の川岸に移動して、常田さんからメヒルギの種子の解説を受けて足元に落ちている種子を手に取り観察。川岸から水に浸かりながら川を渡り、干潟の対岸に行きカニ類やミナミトビハゼなどをフィールドスコープや双眼鏡で観察を行った。
常田さんは、干潟に近い川の河口部付近の工事で潮の流れが変わり、砂が堆積しやすくなったと指摘。「干潟に砂が多くなっているので、泥と砂が混じる水辺の軟らかい箇所を好むミナミコメツキガニは減り、将来はシオマネキ類だけになるかも知れない」と語った。
観察を終え広島市からくろうさぎ留学生として転校してきた中学3年の谷口隆太君(14)が、「自分は今年最後のふるさと学舎になる。いろいろな生きものなど学べた」とお礼の言葉。今年4月に滋賀県東近江市からくろうさぎ留学生として転校してきた中学1年の豊島彩香さん(12)は「マングローブは見たことあったが、生きもの観察は初めてだった。海も山も滋賀県とは違っていて、カニ類も大きかった」などと話した。