今月中にも復旧工事開始

昨年9月の台風24号で損壊した名瀬港沖防波堤(提供写真)

昨年の台風24号で
損壊した名瀬港沖防波堤

 昨年9月に奄美群島に襲来した台風24号の影響で損壊した、奄美市名瀬港の沖防波堤について、管理する国土交通省九州整備局鹿児島港湾・空港整備事務所名瀬港出張所は、今月中にも復旧工事を始める。2019年度中には復旧を終える計画だが、これから「台風シーズン」を迎えるため、同出張所では「天候次第では、工期が延びる可能性もある」と説明している。

 同出張所によると、全長700㍍の沖防波堤は、名瀬港の高波対策として整備。1基当たりの重さが約4000㌧、高さ約20㍍、幅約19㍍、奥行き約16㍍ある巨大なコンクリート製のケーソン41基をつなぐようにして設置されている。このうち、台風で被災したのは2カ所。堤防東端に近い約150㍍(ケーソン8基分)と、西側の約50㍍(同3基分)の部分で、動いたり、水没するなどした。

 大きく動いたり、水没してしまった部分については、取り壊したうえで新たなケーソンを設置。わずかにずれた部分ついては、ケーソン後方部の海底に雑石を積み増しして補強するほか、ケーソンのスリット部分に新たにコンクリートを流し込むなどしてケーソン自体の補強も行う。

 同出張所の木部英治所長は「名瀬港は、鹿児島と離島、沖縄を結ぶ航路に欠かせない重要港湾。できるだけ早く、島民に安心してもらえるよう復旧を急ぎたい」と話している。