手作りのボードで4週間に渡る実習を報告する鹿大医学部の学生たち
大和村で5月20日から今月13日の日程で実習を続けている鹿児島大学医学部保健学科の学生たちは11日、同村役場会議室で実習報告会を開いた。学生たちは、福祉の先進地で〝つながり〟の大切さを身を持って実感。役場職員などが見守る中、4週間の実習体験を報告した。
実習に取り組んだのは、同科4年で看護学を専攻する牧薗佑香さん(21)と脇田天希さん(21)。保健師を目指す同大地域包括看護学講座の「公衆衛生看護学実習」で、村が受け入れ協力した。
2人は期間中、役場を拠点に同村の診療所や福祉施設、福祉支援団体やIターン者を訪ね、生の声を聞きとるなどフィールドワークを通して調査。学生目線で地域福祉を体験し課題の掘り起こしなどに取り組んできた。
報告会で2人は、今後人口減少が進むことで〝つながりの希薄化〟が起こると危惧し、そこからコンセプトを抽出。「地域のつながりとは」「つながりを守る取り組みとは」をテーマに、もう一度現状を見つめ直した。
発表では、民生員と共に行動し声掛けをするうちに「支え合いの地域」を実感したという牧園さんは、「主役は住民で、専門家がサポーター、行政が仕掛け人であるべきと感じた」とレポート。「逆につながりを負担に感じる人もおり、課題は点在する。困った時に支える存在として行政が支えてほしい」など訴えた。
脇田さんは、診療所に通う内にサポートが行き届いていることを感じ「住民以外の存在も大きい」とし、民生員や看護師の対応に、「少ない人数だからできるということではない。地域性を踏まえた指導の在り方も学べた」など報告した。
発表を見守った伊集院幼村長は「大和村は〝支え合い〟を一つのきっかけに取り組んでいる。5年10年後、また見てほしい」と2人を激励した。
今後、龍郷町の実習生2人と合流。13日には奄美市でも報告会を行う。