群島成長戦略プロジェクト推進会議

世界自然遺産登録を見据えて緊急に召集された「奄美群島成長戦略プロジェクト推進会議」の初会合=中央合同庁舎第2号館会議室で

ロードマップ策定し共通認識
群島全体の「観光マスタープラン必要」

 【東京】国土交通省は20日、霞が関の国土政策局会議室で奄美群島成長戦略プロジェクト推進会議第1回会議を開いた。奄美群島の成長戦略の実現に向けたロードマップ策定に向け、有識者などが意見を交わした。出席委員からは群島全体の観光マスタープランの必要性など意見があり、ロードマップを策定し共通認識を持つ目標が設定された。
 同会議は、世界自然遺産登録を見据えた群島全体の受入れ環境整備と戦略的情報発信をより一層推進し、民間と連携した成長戦略の実現や持続的な地域づくりなどを支援することを目的に設置。

 同会議には国、鹿児島県、奄美群島広域事務組合の協力の下、奄美からサイバー大学IT総合学部の勝眞一郎教授、奄美群島振興開発基金の本田勝規理事長、ほかに志學館大学人間関係学部の原口泉教授ら有識者6人からなる委員が参加。事務局から概要の説明を受け、ロードマップ策定までの進め方について協議した。

 出席委員からは「奄美群島全体の観光マスタープランが必要」や、「世界自然遺産登録になったら観光客がどれくらい増えるのか」などの意見が出され、出発点の今回は「ロードマップを策定して共通認識を持つこと」を目標とすることとなった。

 同推進会議のスケジュールは第1回推進会議後、7月に第1回ワーキンググループ(以下WG)で取り組み事項や課題を精査、10月の第2回WGは、ロードマップ(第一案)、流動シナリオを用いた議論、来年1月、第3回WGではロードマップ原案を策定、同3月に予定の第2回推進会議でロードマップ策定を目指す。年度内に奄美群島の受け入れ態勢の整備や、自然保護と観光の両立、戦略的な情報発信が各WGでとりまとめられる予定になっている。

 国土政策局は「最初の一歩。ロードマップの出口をイメージしてチャレンジしていきたい。みんなで共有することが大事。ざっくばらんな意見を」と意気込みを語った。

 出席委員からは他に「景観条例の整備を急ぐべき」という意見や、地元の人たちから神話などの聞き取りをして「観光による地域づくりを教育と結びつける」「お土産品は島外で依頼する状況で、落としたお金が島内で地域循環できる仕組みづくりを」など、活発な意見が交わされた。