無投票で4期目当選 高岡徳之島町長

新首長インタビュー
 
100%信任に向け 情報共有・人材育成を
世界自然遺産センターを誘致

 任期満了に伴う徳之島町長選は2日告示され、現職の高岡秀規氏=無所属=が無投票で4期目当選を果たした。「夢はかなう。人が地域を創る」をキャッチフレーズに、▽一次産業の振興▽医療福祉の充実▽教育推進などを政策に掲げる。12年積み重ねてきた政策の発展・推進に4期目ではどう取り組むのか。無投票当選から一夜明けた3日、同町職員を帯同し、会見に臨んだ高岡氏に、町政への意気込みを聞いた。

 これまでの3期12年を振り返って。

 人や事業に恵まれた。6次産業化・福祉、障がい者雇用・医療と介護施設の連携などを進めてきた。美農里館(総合食品加工施設)、TMRセンター(混合飼料生産施設)など、自分がやりたい政策を実現できたということは、恵まれた環境にあったからだと思う。10、20年後に「だからこの政策をやっていたのか」というふうになると信じて(諸施策を)進めてきた。

 無投票当選の受け止めと、4期目への抱負を。

 100%の信任を得たわけではない。4期目は数字としての結果、結果への責任を取っていかなければならない。すべての町民の理解を得られるように努力する。そのためには問題が発生した際の情報共有や、人材育成が鍵となってくる。

 思い描く町の将来像は。

 美農里館がやっている事業が民間に波及することが理想。別に大企業じゃなくても良い。個人企業が立ち上がれば、後継ぎに子どもが帰ってくる。
 医療と福祉については、雇用はなくならない。在宅医療・在宅介護は現実的ではないので、施設と人的な福祉政策を構築したい。10、15年後の大手企業に就職した子どもたちが島に帰ってきて、プログラミングに関する企業を立ち上げるような形での誘致ができれば。

 公約に7項目挙げているが、具体的な取り組みは。

 農家の所得向上について、花徳の農業研修センターで、将来必要となる作物を検証し、担い手の独立支援を行う。単収を上げるために、町内で土壌成分調査を可能にする機械設備の設置、分析人材の育成・雇用を行いたい。
 人材育成に関するICT教育では、企業と協定を結び遠隔での指導者育成などのシステムを作りたい。複式学級改善のために母間小で行っているICT活用教育を他校に広げる。
 首都圏での下請けよりも安いコストで仕事を受ける企業を誘致するために、ホームページ作成やアプリケーション開発のために人材育成を行う。

 世界自然遺産登録に向けての取り組みは。

 ノネコ対策は奄美大島と同様にすべきで、基本計画策定について今後検討する。保護の分野では山クビリ線などの特別地域などの入り込み制限などの対策をしっかりと進める必要がある。世界自然遺産センターの徳之島町内への誘致を頑張りたい。
(聞き手・西田 元気)

メモ

(たかおか・ひでき)1期目途中から、趣味でサックス演奏を始める。動画サイトを見ながら独学で技術を磨く。 町議会一般質問前日には徹夜で答弁を練りながら、合間に演奏することもあるといい、「ストレス発散になる」と笑笑顔。エディータ夫人(49)との間には子ども3人。孫も3人。現在は亀津で夫人と2人暮らし。59歳。