長期入院児の勇気を奄美から

NPO法人タートルウィッシュ設立を朝山市長に報告した(下段左から)小路さん、中村代表理事、浜野理事

NPO法人「タートルウィッシュ」
朝山市長表敬、設立報告

 ヒーローなど、キャラクター展開するグッズやイベントで長期入院児に希望と勇気を与えたい――。6月21日に登記を終えたNPO法人「タートルウィッシュ」(中村正一郎代表理事)は4日、朝山毅奄美市長を表敬訪問し、法人の設立を報告した。活動は、長期入院を必要とする子どもたちを対象に〝病気と闘う気持ちを〟と、全国の病院や医療施設を通して医療グッズやイベントを届けるもの。中村代表理事は「患者やその家族が気持ちの面でも快方に向かい、一人でも多くの子どもたちが笑顔で走り回れるよう、奄美から全国に広げていきたい」と決意を語った。

 始まりは4年前。長女が生死をさまようケガをした時、中村代表理事が見たのは、重い病気と必死で闘うたくさんの子どもたち。小児がん患者にコミックヒーローの点滴ボックスやアニメーションを届け、支援やケアに取り組む米国の団体を思い出し、思いを同じくする後輩・浜野耕一理事らが集まり一念発起した。

 会社は縁ある同市笠利町万屋を拠点に、社名は、笠利﨑灯台の龍宮伝説モニュメント「夢をかなえるカメ」から得た。この日は、アスリートのセカンドキャリアとして支援を考える元格闘技選手・小路晃さんとの3人で朝山市長を訪ね、設立や活動内容を報告した。

 朝山市長は「今まで以上に力を入れたいのが医療と教育。少しずつでも停滞することなく、これからはお互いに工夫しながら、お手伝いができれば」と協力を約束。中村代表理事は「回復した暁には、子どもたちを奄美に招待したい」など夢を語った。

 浜野理事は「世界には同じような活動も多い。世界と手をとり共存することで、広く活動したい」と展望。小路さんは「子どもに闘う勇気を。『令和の浦島太郎』になれるように頑張りたい」など抱負を語った。

 今後は、病院などで要望や意見をヒアリング。グッズやイベントの開発を進め、年内の配布を目指していく。

 なお同法人では現在、企業・団体サポーターを募集中。問い合わせは電話0997―63―2020まで。