ホバリングする防災ヘリから孤立地区に投入される救助隊員
救助者などを乗せてランデブーポイントに着陸する防災ヘリ「さつま」
大島地区消防組合龍郷消防分署は県防災航空センターや龍郷町などと7日、同町の中央グラウンドや体育文化センターりゅうゆう館駐車場で防災訓練を行った。町消防団員など55人が参加し、防災ヘリコプターによる隊員投入や災害時の傷病者輸送などを行い一連の流れを確認した。同分署は訓練結果を検証し、反省点などを今後の防災訓練に生かしていく考えだ。
同訓練は、防災関係機関が連携し、情報伝達、避難および救護に至る実践訓練で防災態勢の確立と防災意識の高揚が目的。同町の防災訓練に、県の防災ヘリ「さつま」が参加するのは初めてになるという。
この日の訓練は、災害による孤立地区の発生を想定し、関係機関の情報伝達、防災ヘリによる救助隊員の投入、傷病者や災害弱者の孤立地区からの輸送などを計画。午前10時に訓練は開始され、中央グラウンドを県本土から飛行して来た防災ヘリとのランデブーポイントに設定し、中央グラウンドに到着した防災ヘリは着陸後に隊員を乗せて孤立地区に移動した。
防災ヘリは孤立地区に見立てたりゅうゆう館駐車場に移動しホバリング(停止飛行)しながら、救助隊員2人を上空約40㍍からワイヤーで降下させ一人ずつ投入。救助隊員は要救助者2人をホイスト装置でワイヤーを巻き上げ上空で待機する機内に搭乗させた。
要救助者を収容した防災ヘリは中央グラウンドに着陸して、地上で待機していた救急車に要救助者を乗せ替えて搬送。防災ヘリは続いて救助隊員の回収に飛び立ち、りゅうゆう館駐車場と中央グラウンドを一往復した。
一連の訓練を終えて同分署の嘉=よしみ=尚文分署長(56)は、「ドクターヘリは運用されて慣れているが、防災ヘリは初めて訓練に参加してもらった。訓練結果の検証はこれからだが、ホイスト装置による隊員投入などの時間が想定よりかかった。訓練をきっかけに、次の訓練や防災活動などに生かしていきたい」と振り返った。