世界自然遺産登録や奄振で要望活動

勝俣政務官に要望する伊集院会長ら=30日、霞が関の環境大臣政務官室にて

交付金効果挙げ予算増を
市町村長会・議会議長会

 【東京】奄美群島市町村長会(会長・伊集院幼大和村長)と奄美群島市町村議会議長会(会長・福地元一郎与論町議会議長)は30日、2020年度に向けた奄美群島振興開発の推進に関する要望活動を中央関係省庁に行った。総勢10人が環境省や国土交通省などを訪問し要望書を提出。地元側は交付金制度の効果を挙げ、世界自然遺産登録については理解を図った。

 今回の要望のポイントは、①確実な世界自然遺産登録に向けた取り組み②奄美群島の自立的発展に向けた振興開発の推進③独立行政法人奄美群島振興開発基金の機能強化―についての3項目。要望活動に先立ち、自民党奄美振興特別委員会の尾辻秀久委員長(参院議員)と金子万寿夫事務局長(衆院議員)らに要望内容の説明や、意見交換会が行われた。

 各市町村からは農業の現状や奄美空港以外は管制官がいない空港であること、世界自然遺産登録に向けた取り組みなどを報告。伊集院会長は「地元の取り組みが形となり、成果が出るようにしっかり取り組みたい」と話し、金子事務局長などからは「水産メニューに目玉を。南部地域が浜で稼げるように」と地元への注文も。

 この後、国交省で坂根工博国土政策局長には「厳しい状況だが、奄振交付金に関して(市町村事業分として)約15億円、対前年度比1・3倍相当を」と要望。環境省では鳥居敏男自然環境局長と昨年12月に奄美大島と徳之島を現地視察した衆院議員の勝俣孝明環境大臣政務官に、ノネコの駆除やハイビスカスの国立公園内での駆除などの様子を説明して陳情した。勝俣政務官は「昨年、各市町村が一体となって世界自然遺産登録に向けて取り組んでいることを見せてもらい協力していこうと思った。思いを心に受け止めてやっていきたい」と語った。

 要望活動後、伊集院会長は交付金について「交付金制度は各市町村で効果をもたらしてきた。島の良さを生かした産業振興、制度拡充でさらに実を結ぶようにしたい」とし、世界自然遺産登録については、「最後、逃すことなく県と地元としっかり連携していきたい」と語り、勝俣政務官からも受け入れ側としても地元に生かしていけるようにしたいとの好感触を得たという。