住民拠点SSで訓練

自家発電機を稼働させて普段通り給油作業を行う従業員=知名町=

停電時も自家発電機で給油
知名町南国商事

 【沖永良部】大規模災害で停電しても給油できるようにするため、国から「住民拠点SS(サービスステーション)」に指定されている㈲南国商事知名給油所(東山栄三代表取締役)で1日、自家発電機の稼働訓練が行われた。災害に備えて非常用発電機の稼働を確認したほか、住民への周知を図った。

 経済産業省エネルギー庁では、東日本大震災や熊本地震を教訓に、地域住民への燃料供給体制を強化するために自家発電設備を備えた「住民拠点SS」の整備を進めている。3月末現在、全国の整備状況は3498カ所で、沖永良部島内では3カ所(和泊2ヶ所、知名1カ所)に整備されている。

 同給油所は、2018年1月に沖永良部で初めて「住民拠点SS」の指定を受けた。同年9月下旬から10月上旬に沖永良部に襲来した台風24、25号で島内が停電時は、自家発電機を稼働させて給油作業を行った。

 訓練は午後3時にスタート。通常の電源から非常用電源に切り替えた後、普段と変わらず業務できるか確認した。また、訓練中は、スタンド内に「発電機にて稼働中」の張り紙や立て看板を設置して、来客者に訓練を周知した。

 同給油所の東山栄仁さん(35)は「昨年の台風で停電した時は、知名町だけでなく和泊町からも人が訪れ、店の前に多くの車が並んだ。この発電機がなければ、もっと大変な状況になっていたかもしれない。訓練を通して、住民拠点SSのことを島民に知ってもらいたい」と話した。