ダブル台風 盆帰省への影響も

周辺海域、強風と高波に注意警戒

 沖縄の先島諸島を通過して東シナ海を北上する台風9号と、日本の南をゆっくりと北上する10号。ダブル台風の影響で奄美・沖縄地方の周辺海域では、強風と高波が長引く恐れがある。さらに10号は盆期間(13~15日)中、西日本に接近する見通しで、奄美の帰省客や観光客の足に影響が出そうな情勢だ。

 大型で非常に強い9号は9日午後3時現在、東シナ海海上から時速25㌔の速さで北西に進んでいる。10日午後、中国大陸に上陸する模様。

 一方、大型で非常に強い10号は9日午後3時現在、小笠原諸島近海でほとんど停滞。中心気圧は955ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は40㍍、最大瞬間風速は60㍍。中心から170㌔の範囲で風速25㍍以上の暴風。南側350㌔、北側560㌔の範囲で風速15㍍以上の強風が吹いている。

 気象庁によると、10号は今後、勢力を保ちながら日本の南海上をゆっくりと北上。今後の予報円の西端を通った場合、13日ごろ奄美地方に接近。奄美大島と喜界島を暴風域に巻き込む可能性がある。

 名瀬測候所は、奄美地方から離れる9号の影響は徐々に低下すると見ている。その半面、10号は進行速度が遅く、大型であるため、海上の波が高い状況が続くことを指摘。「予報円が大きく、進路は随時変動する見通し」として、今後の気象情報に注意と災害への警戒を呼び掛けている。

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 台風接近に伴い交通機関に影響が出、空の便は終日遅延が相次いだ。日本航空(JAL)グループでは奄美大島―大阪(伊丹)線の1往復が遅延したほか、鹿児島と奄美各離島を結ぶ日本エアコミューター(JAC)10路線で遅延42便。琉球エアーコミューター(RAC)は奄美大島、与論と沖縄を結ぶ2路線で遅延4便となった。

 またバニラ・エアの奄美大島―東京(成田)線の1往復が遅延した。

 海の便でもダイヤに影響が出た。瀬戸内町の「フェリーかけろま」は6便が欠航、同町営「せとなみ」が全便欠航した。

 9日付けでフェリー各社が発表した欠航・臨時便は次の通り。

 【欠航】▽フェリーあけぼの=10日下り鹿児島発▽フェリーあまみ=9日下り鹿児島発、10日上り平土野発

 【臨時便】▽フェリーきかい=11日下り鹿児島発、12日上り喜界、名瀬発※条件付

 【変更】▽琉球エキスプレス2=10日下り阪神発