鹿―喜界線就航60周年

就航60周年セレモニーであいさつするJAC関係者


喜界空港エプロンから出発機を見送るJACスタッフ(10日午前9時半ごろ)

利用促進と地域発展に
喜界空港でセレモニー

 鹿児島と喜界島を結ぶ日本航空(JAL)グループの路線が10日、初就航から60周年を迎えた。同日は喜界町中里の喜界空港内で記念セレモニーが開かれた。関係者は県本土と奄美群島を最初に結んだ路線の節目を祝い、観光やビジネスでの利用促進を図りながら地域発展に尽くすことを確認した。

 同路線は1959(昭和34)年に開設した。当時の東亜航空は群島の他離島に先駆けて鹿児島路線を就航。その後は東亜国内航空(TDA)、日本エアシステム(JAS)、JALとの経営統合と、運営体系が移り変わりながら県本土を結ぶ「空の足」として利用されてきた。18年度実績は旅客数3万9528人(前年度比109・2%)で、搭乗率は60・9%。

 搭乗ゲート前の待合室で行われたセレモニーには町や空港関係者などが参加。日本エアコミューター(JAC)客室乗務員の金丸菜緒子さんが進行を務め、山本和則JAC執行役員総務部長が「引き続き、利便性向上と地域の魅力発信とともに持続可能な運航につとめたい」とあいさつした。

 隈崎悦男副町長は旧海軍航空隊喜界島基地の跡地に整備された同空港の歴史に触れ、「当時は喜界高生徒など住民の労力を借り、町を挙げて開港にこぎつけた。この記念すべき日を喜びたい」と述べた。

 その後出発客に記念品を贈呈。スタッフやJAC関係者がエプロンで出発便に手を振り、見送った。

 また同日は鹿児島空港でもセレモニーを開催。出発前のテープカットや歴代客室乗務員の制服が並べられたほか、喜界島出身の唄者・界眞子さんによるシマ唄披露もあった。

 JALによると、この日運航した2往復はほぼ満席。栄正行奄美営業所長は「これからも安心・安全なサービスを持続して提供したい」と話した。