防災事業で寄洲や雑草除去

河川氾濫の未然防止に向け寄洲除去や雑草伐採を実施(奄美市名瀬新川の真名津町付近)

大島支庁建設課、2級河川・新川
住民との協働で管理も

 県大島支庁建設課は、河川の氾濫=はんらん=を未然に防ぐ目的で奄美市名瀬の2級河川新川で防災工事に着工している。新川河口部から中流部で、寄洲=よりす=除去などを実施。住民との協働も推進しながら、河川管理に取り組んでいく考え。

 県は管理する河川の土砂の堆積状況などから緊急性を判断し、寄洲除去事業を行い防災に努めている。県大島支庁管内では、奄美市内に管理が必要な2級河川17が存在。今年度は同名瀬の中心市街地を縦断して流れる新川で6月末から、県単河川等防災工事を行っている。

 新川は総延長2・6㌔で、事業は名瀬港町の河口部付近から上流の名瀬平田町・平田中央橋付近の約1・7㌔の範囲で寄洲の除去や生い茂った雑草の伐採を行うもの。予算は約1千万円で、事業は9月末までに完了予定。

 同課は工事に至った経緯を、「治水上の安全の観点から」と説明。「あくまで河川の氾濫防止目的なので、それ以外では事業は実施されない」。

 寄洲が多くできていた下流域では、重機で土砂を除去し市の残土処分場に搬出。護岸の高さまで生えていた雑草は伐採され、河川道に落ちていたごみと一緒に名瀬クリーンセンターへ持ち込んだという。

 県は防災事業に地域住民などとの協働を求め、「みんなの水辺サポーター推進事業」を実施している。今年1月末現在で県内全体の754団体が登録しており、新川に関わる自治会は3団体が認定されている。

 同推進事業は、県の管理する河川で年1回以上の清掃美化活動を行う団体を支援する。サポーターに認定された団体は、草刈り機の燃料代などの活動経費やや傷害保険加入料が助成される。同課は「水害の未然防止に寄洲除去や、水辺サポーターなど地域住民との協働で河川管理に取り組んでいく」とした。