黒塗りのシタンが邪気を払いながら先導した
大和村今里集落 十五夜豊年祭・敬老会
大和村今里集落(宮田カシコ区長、59世帯104人)は18日、村の先陣を切る伝統の「十五夜豊年祭・敬老会」を同集落公民館で開いた。住民や村出身者など集落内外から多くの人が集まり、今里集落に残る顔を黒塗りにした独特な「振り出し」を始め、豊年相撲や余興などを奉納。参加者らは、実り多い五穀の豊穣に感謝し、向こう1年の無病息災などを願った。
同集落青壮年団(森岡豊史団長)が主催。この日は、今里郷友会(森山和郎会長)から40人のメンバーも駆けつけ、盛大に集落の繁栄が祈願された。
午後2時、墨で顔や体を黒塗りにしたシタンが先導する「振り出し」で豊年祭は開幕。シタンを務める前田克仁さんが邪気を払う刀を振り回しながら男トネヤを出発すると、まわし姿の男衆が「ヨイヤーヨイヤー」と続き、集落を清めた。
会場では、豊年相撲や赤ちゃん土俵入りなどが催され、中入りでは女トネヤから集落を練り歩いた女衆らが、にぎやかに力飯を奉納。派手な仮装姿で艶やかに土俵を回る姿に、会場は沸き立った。
また、併催の敬老会では、今年73歳になる登喜久喜男さん、宮田益慶さん、山田逸美さんの入学式を実施。泉有智副村長らが祝いの言葉を送り、ステージでは祝い唄や舞などの余興が行われるなど、長寿が祝われた。
近年、集落の人口減少で開催も危ぶまれなか森岡団長は「(人の集まりやすい)8月開催も4年目でようやく定着してきた」と、多くの人出に笑顔。「今里の豊年祭は多くの人の力で成り立っている」と同郷友会や名音青年団らに感謝しつつ「豊年祭は集落の象徴。しっかり受け継いでいきたい」と決意も示した。