10月上旬IUCN調査へ

自民党政務調査会奄美振興特別委員会であいさつに立つ尾辻委員長=自民党本部で

世界自然遺産登録意見交換 「背水の陣で臨む」

 【東京】自民党奄美振興特別委員会(尾辻秀久委員長、金子万寿夫事務局長)は3日、自民党本部で会合を開き2020年度奄美群島振興開発関係概算要求について各省庁から説明を受けて質疑応答した。世界自然遺産登録について、環境省は「背水の陣で臨む」と報告。このあとの意見交換会で、尾辻委員長は「背水の陣でやらないといけない。しくじるわけにはいかない。我々もできることはやる。改めて登録に向けてのスケジュールを」と指摘。同省は10月上旬に諮問機関IUCN(国際自然保護連合)のメンバー2人が現地調査を行う予定と回答した。

 今回は9人の委員が参加。冒頭、尾辻委員長は、「地元の要望を聞きながら必要な措置をとった。奄振法の5年延長実現、今年2月に世界自然遺産登録の推薦書を再提出、観光客が88万人台。この追い風を生かして奄美群島を発展させていく。ご協力を」とあいさつした。

 この日は各省の報告を聞いた各委員からも世界自然遺産登録についての意見が相次ぎ、「オールジャパンに向けて国民運動を強力に努めて欲しい」、「地元の熱意を島外の郷友会にも手伝ってもらっては」など登録への意気込みがみられた。

 また、「離島にいかに住んでもらうか住みやすい島にして欲しい。島外の人や子どもにも離島航路など補助が欲しい」「日本一高い与論町のガソリンの補助を」「知名町の水質改善も」「地域包括ケアの推進を」「ミカンコミバエなどの根絶に今後も引き続き取り組んで」などの意見も出た。

 奄美から参加した大島郡市町村会長の伊集院幼大和村長は「奄振の法延長に安堵している。世界自然遺産登録について、国・県・市町村一体となって島の自然と文化を理解していただき、島を知らせていきたい。そのためにも受け入れ態勢を万全にする責務がある。交付金など活用して実のあることをしていく」と語った。