中山間地域活性化推進地域会議

中山間地域活性化推進地域会議

集落活性化に関する講話を行った永山さん

 

「できること自分たちで」
集落活性化の講話や意見交換

 

 県大島支庁総務企画課は4日、奄美市名瀬の県立奄美図書館会議室で2019年度中山間地域等集落活性化推進地域会議を開いた。行政や地域おこし協力隊、関係者などが出席し集落活性化に関する講話や意見交換を通して、地域の抱える課題や県の策定した指針などの共有が図られた。

 県内の中山間地域等の集落では、人口減少や少子高齢化といった課題に直面しており、県は今年3月に中山間地域等集落活性化指針を策定。同会議は指針に基づき設置され、集落活性化の推進に携わる関係者が集まって情報共有や意見交換を行う目的。

 講師を鹿児島で地域のコミュニティ支援に関わる(一社)鹿児島天文館総合研究所Ten―Labの永山由高理事長が担当。「地域住民の自主的活動を促すための手法について」と題して、スライド資料で地域づくりのポイントなどを解説した。

 永山さんは自己紹介の後に参加者に3人一組のグループになってもらい、集落活性化に関する質問を実施。「これから人口減少社会になり、労働力確保が困難な状況で税収も減少することから行政の関与が限界となる」と指摘した。

 地域の課題に対して現状把握し、▽ものごとに優先順位をつける▽自分たちでやれることは自分たちで▽最後に行政をうまく頼る―手法を提言した。また県内の事例を紹介して、永山さんは「地域のみなさんがやりたいことを語り合える場をつくり、自分ができることから小さく始めることが街の持続可能性を高める」と述べた。

 講話に続いて、県関係部局から指針や空き家対策などを説明。18年の県の空き家率(住宅総数に対する空き家の割合)は、18・9%16万6400戸と報告された。

 質疑や意見交換があり、出席したNPO法人の代表から「これから島を出ていく子どもたちや、島を出ていった人たちに自分たちがどういうアプローチをしていくかなど話し合いたい。(地域が衰退した)要因を分析し、どういう対策をするかなど話し合えれば」と話した。