奄美では13種が対象

県指定外来動植物に選定されたアメリカハマグルマ

外来動植物候補リストアップ
県環境審自然環境部会

 鹿児島県環境審議会自然環境部会(部会長・星野一昭鹿児島大学産学・地域共創センター特任教授、委員9人)がこのほど、鹿児島市の県青少年会館で開かれ、4月施行の「指定外来動植物による鹿児島の生態系にかかる被害の防止に関する条例」の候補案14種を選定。奄美では自生するオキナワキノボリトカゲを除く13種が指定対象種となり、県は対象地域も合わせて10月に告示し年末の指定を目指している。

 条例は県内に定着(そのおそれのある)し、在来種の捕食など直接的な影響だけでなく、その生息生育環境の悪化や在来種との交雑など生態系に被害を生じさせている動植物を外来種指定して被害を防止し、生物多様性の確保などが目的。2020年夏の実現を目指している「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録に、外来生物の問題は生物多様性の保全上の大きな課題になっている。

 指定外来動植物の候補の選定は、県外来種リスト・661種と国の生態系被害防止外来種リスト・429種から動物10種と植物4種をリストアップ。指定された外来動植物は、野外への定着や分布拡大を予防するため、飼養者に適正な管理などが求められる。

 奄美の指定対象種となっているアメリカハマグルマは、国の緊急対策外来種で県の重点啓発種。繁茂している場所で、自治体や民間団体などにより啓発活動や駆除作業が行われている。

 奄美におけるその他の指定対象種は▽魚類=コイ、グリーンソードテール▽植物=ホテイアオイ(ウォーターヒヤシンス)、ポトス(オウゴンカズラ)、ムラサキカッコウアザミ(オオカッコウアザミ)▽ほ乳類=イノシシ(リュウキュウイノシシを除く)、キュウシュウジカ、ニホンイタチ、ホンドタヌキ▽鳥類=インドクジャク▽は虫類=ニホンスッポン▽両生類=アフリカツメガエル